アップデートされた新型サイドポッドを備えるセルジオ・ペレス駆るレッドブル・レーシングRB18、2022年3月12日F1バーレーンテスト3日目
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速くなる? レッドブルRB18の新型サイドポッドを含むアップグレードの狙いとは

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F1バーレーンテスト最終日に持ち込まれた新型サイドポッドはレッドブルRB18に何をもたらすのか? 何を目的としたパーツなのだろうか?

事前予告があっただけに変化の程度が注目されたが、あくまでも調整・改良といった趣だ。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「細部の積み上げが前進につながるはずだ」と語る。

レッドブルがF1バーレーンテスト最終日に投入した新型サイドポッドと旧型の比較Courtesy Of Formula1 Data

レッドブルがF1バーレーンテスト最終日に投入した新型サイドポッドと旧型の比較

メルセデスが初日に持ちこんだゼロポッドのような劇的なものではない。まずはシンプルに保ち、クルマへの理解を深めた上で段階的に詳細を詰めていくというエイドリアン・ニューウェイの思想が表れているようだ。

改良型RB18のサイドポッドには上面から下部へと流れる流線形の凹みが設けられた。空気をコークボトルへ向けようとする意図が感じられる。

アンダーカットの深さが変化した事に伴いフロアが調整されている他、フロア前方のターニングベーンもアジャストされている。

またアップグレードの投入を受けての調整なのかどうかは分からないが、やや車高が上がったようにも見受けられる。

F1バーレーンテスト最終日のレッドブル・レーシングRB18のサイドポッド

ミルトンキーンズのデザインチームは今回のアップデートで一体何を目指しているのだろうか?

独AMuSによるとレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「これでアンダーステアが解消されるはずだ」と語った。また重量オーバーに関しては「一歩一歩スリム化していく」と説明した。

太り過ぎているが故に、RB18は低速コーナーでアンダーステアに悩まされている。対してメルセデスW13は低速で印象的だ。逆に高速コーナーで光るのはRB18であり、中速ではフェラーリがスピードを発揮する傾向がうかがえる。

今年のフェラーリには大きな期待が寄せられている。ホーナーのみならず跳馬を押す声は多い。F1-75はどのようなコンディションであれ一貫して速く、信頼性という点でも欠点らしき欠点がみられない。

とは言え、今季のグランドエフェクトレーサーはシーズンを通して飛躍的に進化していく事になる。ヘルムート・マルコは「どのチームのマシンが一番速いのかについては3〜4レースが必要になるかもしれない」と予想する。

カルロス・サインツも「フェラーリ最速」との前評判を牽制する。

メルセデスのジョージ・ラッセルがフェラーリについて、非常に堅実で軽タンでの走行では最速かも…と語った事に対し、27歳のスペイン人ドライバーは「典型的なメルセデス、典型的なジョージのコメントだ。単に煽っておいて、初戦になると手の内を明かしてライバルを吹っ飛ばすつもりなんでしょ」とあしらった。

結局この日は改良型RB18を駆るフェルスタッペンが後続をコンマ7秒引き離し、テスト総合ベストとなる1分31秒720でタイムシートのトップに立った。