夕日に染まるバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン、2022年3月12日F1バーレーンテスト
Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1バーレーンテスト《最終日》総合結果:フェルスタッペン、唯一の31秒台で全体トップ

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2022年シーズン最後のバーレーンテスト最終3日目のセッションが3月12日(土)に行われ、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが唯一31秒台に入れてタイムシートのトップに立った。

チームはサイドポッド、フロア、フロントウイングから成るアップグレード・パッケージをRB18に投入した。まだまだ中低速では課題が見受けられるものの、ポーパシング現象は克服したように見え、高速コーナーでは高い安定感を発揮した。

アップデートされた新型サイドポッドを備えるセルジオ・ペレス駆るレッドブル・レーシングRB18、2022年3月12日F1バーレーンテスト3日目copyright Red Bull

アップデートされた新型サイドポッドを備えるセルジオ・ペレス駆るレッドブル・レーシングRB18、2022年3月12日F1バーレーンテスト3日目

フェルスタッペンは計測ラップに向けた最終コーナーでリアをロス。グリップを完全に失い派手にスピンを喫する場面もあったが、最も柔らかいC5コンパウンドで1分31秒720のファステストを刻み、後続にコンマ7秒の差をつけたが、当人は全力を出し切ったわけではないと強調した。

レッドブルはこの日、午前と午後で担当を分けた。改良型RB18は期待通りに機能しているようで、セルジオ・ペレスも午前のセッションでタイムシートのトップに立った。

フェルスタッペンから0.695秒遅れの2番手にはフェラーリのシャルル・ルクレールが続き、その0.283秒後方の3番手にアルピーヌのフェルナンド・アロンソが並んだ。両者ともC4コンパウンドでの計測だった。

これで全ての公式テスト日程が終了したが、ハースは貨物機遅延に対する特別措置として2時間の居残り走行を続けた。

レッドブルとフェラーリが印象的なタイムと安定した挙動を見せた一方、メルセデスW13は変わらずポーパシング現象に見舞われ、ドライバー達のステアリング操作は慌ただしかった。午後のセッションを走ったジョージ・ラッセルは4番手をマーク。午前担当のルイス・ハミルトンは17番手という結果だった。

アルファタウリの午前を担当したピエール・ガスリーはハミルトンと模擬レースを楽しみ、全車最多となる91ラップを稼いだ。午後に作業を引き継いだ角田裕毅はブレーキングが遅れてターン10でワイドになる場面があったが、57周を走り6番手タイムを残した。

1日を棒に振るといった深刻なトラブルはなかったものの、幾つかのチームは今日も走行時間を失った。

特別措置として1時間早く午前のセッションを開始したハースのケビン・マグヌッセンは、34ラップを終えたところで水漏れに見舞われた。問題はすぐに解消されたが、続いて燃料トラブルに見舞われ再びガレージに戻された。C2タイヤでの計測タイムは最終18番手という結果となった。

ミック・シューマッハは残り1時間45分というタイミングでアウトラップを終えてタイム計測に向かおうとした際、フェルスタッペンと同じ様に最終コーナーでリアを失い、激しいタイヤスモークを上げてストレート上に停車した。赤旗が振られたがクルマへのダメージはなかった。居残り走行ではフェルスタッペンにコンマ5秒差の非公式2番手タイムを残した。

マクラーレンはコロナ陽性のダニエル・リカルドに代えてこの日もランド・ノリスに作業を託した。MCL36はブレーキのオーバーヒートに課題を抱えており、ノリスが1日を通して稼いだマイレージは惜しくも3桁に届かず90周に留まった。

アルファロメオは終盤、バルテリ・ボッタスが4速でスタックしてコース外に止まり赤旗中断の原因を作ったが、午前の周冠宇と合わせてトータル150周と、プレシーズンテスト6日目にしてようやく真っ当な走り込みを終えた。原因は明らかにされていないが、油圧系統のトラブルとみられる。ボッタスはC3タイヤ最上位の5番手につけた。

前日にブレーキ火災でほぼ1日を失ったウィリアムズは、ニコラス・ラティフィにより多くの走行時間を与えた。アレックス・アルボンが担当した午前の序盤には、何らかのパーツが脱落し、回収のためにバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入される場面もあったが、二人合わせて142周を走り込んだ。

アストンマーチンはセバスチャン・ベッテルがギリギリのトップ10入りを果たした。ランス・ストロールは16番手。チームとしては134周を計上した。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1:31.720 53
2 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:32.415 + 0.695 51
3 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:32.698 + 0.978 122
4 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:32.759 + 1.039 71
5 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:32.985 + 1.265 68
6 角田裕毅 アルファタウリ 1:33.002 + 1.282 57
7 セルジオ・ペレス レッドブル 1:33.105 + 1.385 43
8 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:33.151 + 1.431 58
9 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:33.191 + 1.471 90
10 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:33.821 + 2.101 81
11 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:33.959 + 2.239 82
12 ピエール・ガスリー アルファタウリ 1:34.865 + 3.145 91
13 カルロス・サインツ フェラーリ 1:34.905 + 3.185 68
14 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:35.171 + 3.451 18
15 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:35.634 + 3.914 124
16 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:36.029 + 4.309 53
17 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:36.217 + 4.497 78
18 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:38.616 + 6.896 38