ガレージ内で足を投げ出してくつろぐスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル、F1フランスGPにて
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前戦トップチェッカーのベッテル、フランスGP予選で謎の失速…何が起きたのか?

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スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、前戦カナダでトップチェッカーを受け、調子を取り戻したかに見えたが、続くフランスGP予選では中団チームにすら遅れを取り、ポールポジションはおろか、4列目7番手という結果に終わった。

7番手という結果は、昨年の日本GPでの8番手以来となる最悪のグリッドだ。一体何が起きたのか?

ベッテルは予選Q2で、トップタイムを刻んだバルテリ・ボッタスから僅か0.069秒遅れの2番手タイムで終えるも、Q3でのポールポジション争いは不発に終わった。1回目のラップでは途中で計測を断念。当初はシフトアップをミスしたと無線で伝えていたが、後に「あまりに勢いを失ってしまったから、走り切る意味がなかった」と説明した。

最後の望みにかけて2度目のランに向かうも、チームメイトのシャルル・ルクレールと同じようなペースで走る事はできず、ポールタイムのルイス・ハミルトンから1.4秒遅れ7番手。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンや、マクラーレン勢の後塵を拝した。

「最高とは言えないね」とベッテル。「浮き沈み激しい予選だった。幾つかのラップはかなり良かったけど、それ以外はそうじゃなかった。最終的にクルマからベストなパフォーマンスを引き出せなかった。満足できない」

「でも、何度か本当に良いラップを走れていたし、調子が上がっていたんだ。でも、どういうわけだか分からないけど、最後は以前のようなグリップが得られず難しい状況に置かれてしまった」

「Q3で起きた事については残念だけど、これが現実だ。でも、明日は挽回できるって信じてる」

フェラーリは今週末、低速での性能改善を狙って多くのアップグレードを持ち込んだが、改良型ブレーキダクトとリアウイング、それに新型フロントウイングの3点以外は初日を終えた段階でマシンから取り除いた。

「アップグレードの殆どは元に戻したよ」とベッテル。「期待していたようなステップアップを果たせなかったんだ。でも、明日は良いレースができるだけのペースがあると思う。メルセデスが遠く離れているのは確かだけど、レッドブルとは混戦に持ち込めるはずだ」

カナダでの5秒ペナルティに対する再審査請求が却下された事で、ベッテルは現在ドライバーズランキング首位を走るルイス・ハミルトンから62点差の3番手と低迷している。ベッテルは過去2戦で2位表彰台を獲得しているが、今年はまだ一度も勝利がなく、チャンピオンシップ争いは絶望的な状況だ。

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