WECルマン24時間予選:トヨタ3年連続で最前列独占「レコード更新を狙ってた」とポールタイムの小林可夢偉
2018-2019年スーパーシーズンWEC世界耐久選手権 最終第8戦ル・マン24時間レースの予選2回目と3回目のセッションが13日木曜に行われ、小林可夢偉が全体のトップタイムを記録し、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 7号車がポールポジションを獲得した。
小林可夢偉は3分15秒497をマークして、後続にコンマ4秒差の俊足を披露。ルマン通算3度目のポールに輝いた。中嶋一貴がアタックした8号車が2番手に続いたことで、トヨタは一昨年と昨年の第2戦に続いて、3年連続でサルトサーキットの最前列グリッドを独占。ル・マン連覇の野望に向けて、最高のポジションを手にした。
「再びポールポジションが獲得出来て本当に嬉しく思っています」と小林可夢偉。2017年に自身が記録したコースレコードの塗替えを狙っていたという。
「2017年の記録更新を狙っていたのですが、それは上手くいきませんでした。路面コンディションやコースの混雑状況は今日より2年前の方が良かったと思いますが、ル・マンでポールポジションを獲得することはやはり気分が良いものです。既に気持ちは切り替わり、日曜日の決勝での結果を出すため全力を尽くします」
7号車をドライブするマイク・コンウェイと小林、ホセ・マリア・ロペスの3名は、このポールポジションにより1ポイントを獲得。ドライバーズポイントで首位を走るブエミ、中嶋、アロンソの3名との差を僅かに詰め、8号車と7号車の差を30ポイントに縮めてみせた。決勝レースの最大獲得ポイントは38。逆転の可能性が残されている。
「チームの仕事と可夢偉の予選ラップは素晴らしかった」と語るのは、小林可夢偉と共に7号車のステアリングを握ったマイク・コンウェイだ。「昨日のアクシデントにより大修理を余儀なくされたが、チームの懸命の作業により今日の予選で走行することができた。本当に感謝している。彼らの頑張りがポールポジションをもたらしてくれた」
「タイム計測後はクルマのセッティングの微調整を行い、有意義な一日にななった。ポールポジションで1点の選手権ポイントを加えることができたが、最終的に貴重な1点になるかもしれないね」
2番手タイムに留まったものの、中嶋一貴はあくまでもチームとして結果を強調する。「チームの最前列独占に貢献出来てとても嬉しいです。予選セッションはとても混み合っており、特に予選3回目は大変でした。そんな中、予選2回目の自分のラップタイムにはまずまず満足しています。更なるタイムアップも狙えたとは思いますが、悪くない結果です。最前列グリッドを確保し、決勝レースへ向けた充分な準備を行うことが今日の主目的で、それは達成出来ました」
前日まで雨模様が続いたル・マンであったが、予選2日目のこの日は、ドライコンディションの中で2時間ずつ2回の予選セッションが行われ、前日の予選1回目を合わせた総合ベストタイムでグリッドが決定された。
明るい日差しの下で午後7時から始まった予選2回目は、7号車は小林、8号車は中嶋が先陣を切って、新品タイヤと少なめの燃料でアタックに向かった。2台共に前日のベストタイムを更新し、早くもトヨタ勢が1-2体制に。チームはその後、決勝レースへ向けた準備とセットアップの最適化へとセッションの目的を切り替えた。
日が落ちた午後10時に開始された予選3回目では、小林と中嶋がセッション開始直後のアタックに向かうも、後半セクションでのイエローコーションに阻まれタイム更新は叶わず。その後は再びセットアップ作業に重きを置いて周回を重ねた。
その後、ライバル勢がタイムを更新するも、2台のTS050 HYBRIDのタイムは破られることなく、トータル6時間にわたる予選セッションの総合順位で7号車がポールポジションを獲得。0.411秒差の2番手で8号車が続く結果となった。
3番手にはステファン・サラザン、イゴール・オルトツェフ、セルゲイ・シロトキンが駆るSMPレーシング17号車がトップと0.662秒差で、4番手にはトーマス・ローラン、ナタナエル・ベルトン、グスタボ・メネゼスがドライブするレベリオン・レーシング3号車が0.907秒差で続いた。予選トップ4が1秒位内に入る僅差となったのは、2011年に新生WECが始まって以来初めて。
WECルマン24時間レース LMP1予選総合結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム |
1 | 7 | 小林可夢偉 マイク・コンウェイ ホセ・マリア・ロペス |
TOYOTA GAZOO Racing トヨタ TS050 HYBRID |
80 | 3:15.497 |
2 | 8 | 中嶋一貴 セバスチャン・ブエミ フェルナンド・アロンソ |
TOYOTA GAZOO Racing トヨタ TS050 HYBRID |
83 | 3:15.908 |
3 | 17 | ステファン・サラザン イゴール・オルトツェフ セルゲイ・シロトキン |
SMPレーシング BRエンジニアリングBR1・AER |
51 | 3:16.159 |
4 | 3 | トーマス・ローラン ナタナエル・ベルトン グスタボ・メネゼス |
レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン |
46 | 3:16.404 |
5 | 11 | ヴィタリー・ペトロフ ミカエル・アレシン ストフェル・バンドーン |
SMPレーシング BRエンジニアリングBR1・AER |
44 | 3:16.665 |
6 | 1 | ニール・ジャニ アンドレ・ロッテラー ブルーノ・セナ |
レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン |
57 | 3:16.810 |
7 | 10 | ヘンリク・ヘドマン ベン・ハンリー レンジャー・ヴァン・デル・ザンデ |
ドラゴンスピード BRエンジニアリングBR1・ギブソン |
37 | 3:20.200 |
8 | 4 | トム・ディルマン オリバー・ウェッブ パオロ・ルバーティ |
バイコレス・レーシング・チーム エンソ・CLM P1/01・ギブソン |
52 | 3:23.109 |