動画:F1引退ライコネン、娘に「ほら、アントニオにバイバイして…」ジョビナッツィとの感動的な別れ
アルファロメオでのF1ラストランを終えたキミ・ライコネンは、グリッドの中で2人しかいないという親しい友人の一人、アントニオ・ジョビナッツィとの別れを惜しむ娘リアンナに優しく語りかけた。
2021年の第22戦アブダビGPは両者にとってF1キャリアにおける最終レースとなった。2007年のF1ワールドチャンピオンはその長く輝かしいキャリアに終止符を打ち、ジョビナッツィは数年後のF1復帰に向けた希望を胸にフォーミュラEへと転向した。
フェラーリ離脱後のライコネンは、キャリア最終期の3年間を20年前のF1デビューの際に所属していた古巣、スイス・ヒンウィルのチームで過ごした。
この間ライコネンはジョビナッツィをチームメイトとして迎えた。”対立が常”とも言うべきF1チームでのチームメイト同士でありながらも、14歳違いの2人はコース外でも親交する非常に良い関係を築いた。
ライコネンが社交的なドライバーでない事は周知の通りだが、セバスチャン・ベッテルと並びジョビナッツィは、グリッド上で最も仲の良い友人だと度々口にしていた。それは家族ぐるみでの付き合いだったようだ。
アブダビでのシーズンフィナーレを経て、パドックで別れを惜しむライコネン一家とジョビナッツィの姿を捉えた動画が公開された。そこには、普段あまり見られないライコネンの別の一面と、ジョビナッツィとの絆の深さが収められていた。
娘に対して、いつか必ずジョビナッツィと再会できるから…と言って安心させるライコネンのその様は、常にクールで無口な「アイスマン」のそれではなかった。
「大丈夫、アントニオには会えるよ。イタリアでね、いいかい? それで、いーっぱいピザを食べよう」
ライコネンは娘にこう言った。
「ほら、アントニオにバイバイして。あと、メリー・クリスマスとハッピーニューイヤーも言うんだよ」
ジョビナッツィはチームメイトの愛娘を抱きしめて「夏になったら僕の家に来てね」「それと(ライコネンに)クリスマス・プレゼントをお願いするのを忘れないようにね!」と笑った。
ライコネンはジョビナッツィに「気をつけて家に帰れよ」と気遣いの言葉を投げかけ、「また電話するよ」と伝えた。ライコネンの妻ミントゥはジョビナッツィと抱き合い、感謝の言葉を述べた。