フェラーリのセバスチャン・ベッテルとマクラーレンのカルロス・サインツ

ベッテルとサインツ、F1アブダビテストを巡るFIAの対応を批判「アロンソのみがテストに参加できるのは非論理的で不公平」

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セバスチャン・ベッテルとカルロス・サインツが、週明け火曜にヤス・マリーナ・サーキットで開催される若手ドライバーテストへのフェルナンド・アロンソの参加を許可した国際自動車連盟(FIA)を批判している。

15日に開催される恒例のポストシーズンテストは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けて規約が変更された事で、例年とは異なり若手を対象とするヤング・ドライバー・テストに指定されている。

レギュレーションは「F1世界選手権への参戦が2戦以下」と改定され、事実上、ベテランドライバーの参加が除外されたものの、FIAはその後、今シーズンのグランプリに参加していない元F1ドライバーに対してもテストへの参加を許可する通達を出した。

これによって、過去2シーズンの欠場を理由にルノーが参加を求めていた39歳のフェルナンド・アロンソやセバスチャン・ブエミ、ロバート・クビサといった経験豊富なドライバーに門戸が開かれた。ブエミとクビサの参加は、マシン開発という点でチームにアドバンテージをもたらし得る。

フェラーリは2021年にマクラーレンから移籍してくるサインツにテストをさせたいと考えていたが、その要求はFIAによって却下された。26歳のスペイン人ドライバーは「論理的な説明はされていない」として、FIAの対応を批判した。

「まず第一に、背後にはロジックらしきものが殆どなく、何が起きているのかを正確に理解している人は殆どいないと思う」とサインツ。

「当然の事だけど、テストに参加できないのは残念だ。でも、受け入れてページをめくるしかない。来年に向けて可能な限りの準備をしていきたい」

来年のプレシーズンテストは例年の半分、つまり3日間に限定される事が決まっており、今回のアブダビテストとは異なり、チームは各日に1台しかマシンを走らせる事が出来ない。そのためドライバー視点に言えば、来季開幕戦までにテストが許されるのは僅か1日半という事になる。

サインツは、アブダビテストはマシンとのフィッティングを確認する上で、特に安全面という点で非常に重要なチャンスになるはずであったとして「論理的には、アブダビでのテストに参加したいドライバーの一部または全員に手を差し伸べるべきだった」との見解を示した。

アブダビでの週末を最後にフェラーリを去り、アストンマーチンへと移籍するセバスチャン・ベッテルもまた、FIAの決定を不公平だと批判した。4度のF1ワールドチャンピオンは、アロンソにテストを許可するならば、全てのドライバーに対して平等に同じチャンスを与えるべきだと主張した。

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