新世代F1マシンは「ステロイドを打ったフォーミュラE」とフェルスタッペン、“アンチレーシング”と一蹴

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4度のF1王者マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、2026年から導入された新世代F1マシンに辛辣な評価を下した。新たな技術規定が生み出した今季のマシンを「アンチ・レーシング(レースに反する)」と呼び、走る喜びが失われたと批判した。

2026年の新レギュレーションでは、パワーユニットの総出力におけるICE(内燃エンジン)と電動パワーの比率がほぼ50対50に設定された。その結果、ドライバーは極端なリフト・アンド・コーストや、攻撃的なダウンシフトやギア選択、戦略的なエネルギー展開といった「マネジメント」に多くの意識を割くことを強いられている。

「F1らしくない」マネジメント重視への失望

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するマックス・フェルスタッペンのレッドブル・レーシングRB22、2026年2月11日(水)-F1バーレーンテスト初日Courtesy Of Red Bull Content Pool

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するマックス・フェルスタッペンのレッドブル・レーシングRB22、2026年2月11日(水)-F1バーレーンテスト初日

フェルスタッペンは、新世代マシンでのドライビングについて「あまり楽しくない」と吐露した。彼が最も嫌悪しているのは、エネルギー面への配慮から、常に全開で攻めることができない現状だ。

米国のスポーツチャンネル『ESPN』によるとフェルスタッペンは、「言いづらいことではあるけれど、ドライバーとして現実的でありたい。感覚としてはまったくF1らしくない。ステロイドを打ったフォーミュラEのようだ」と語った。

「エネルギー効率やマネジメントがすべてなら、フォーミュラEをドライブした方がいいんじゃない? それこそが彼らの理念なんだから」

フェルスタッペンは、ドライバーとしての自身の入力を常に制限し、システム側の都合に合わせなければならない現状は、純粋なレーシングドライバーとしての本能に反していると主張する。

「純粋なドライバーとしては全開で走りたい。それが楽しいんだ。でも今はそういう走り方ができない。やることが多すぎる」

政治的思惑が生んだ歪なルール、引退への火種も

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)のRB22、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト初日 (2)Courtesy Of Red Bull Content Pool

バーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)のRB22、2026年2月11日(水) F1プレシーズンテスト初日 (2)

新規定は、アウディの参入やホンダの復帰といったメーカー誘致に成功した。一方では、走りの質を損なったとの見方もある。フェルスタッペンは、クルマのプロポーションやカラーリングについては「素晴らしい」と認めつつも、その中身には一切の妥協を許さない姿勢を示す。

「もし政治的な側面を除いてルールが作られていたなら、エンジンもマシンもまったく違う姿になっていただろうね」

フェルスタッペンは以前、次世代マシンが自身の好みに合わなければF1を去る可能性を示唆していた。ライバルのメルセデスはレッドブルを「ベンチマーク」と持ち上げているが、勝利に足るマシンだけでは、フェルスタッペンを引き留める理由にはならないようだ。

「勝てるクルマかどうかは関係ない。楽しくドライブできることが重要なんだ。僕のキャリアのこの段階においてはね」

「もちろんF1以外でも楽しめることを探しているけれど、このレギュレーションがしばらく続くのは分かっている。どうなるか、様子を見るよ」

王者の称号を積み重ねることよりも、一人のドライバーとしての充足感を優先するフェルスタッペン。彼が発した警鐘は、新たな時代のF1が直面している本質的な課題に光を当てている。

パドックで俳優キアヌ・リーブスと並び記念撮影に応じるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2026年2月12日F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

パドックで俳優キアヌ・リーブスと並び記念撮影に応じるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2026年2月12日F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)