
シミュレーター試走で「思わず笑ってしまった」フェルスタッペンが愛するシルバーストンに一体何が?
2026年F1第8戦オーストリアGPで今季最高の2位をつかんだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だが、その勢いとは裏腹に、翌週末の第9戦イギリスGPへの不安を口にした。シミュレーターでシルバーストンを試走した際、呆れて笑ってしまったという。
フェルスタッペンは、2026年型マシンが抱えるエネルギー・マネジメントの課題に対し、グリッドで最も声高に批判してきたドライバーだ。高速コーナーが連続するシルバーストンは、その課題を一段と浮き彫りにするとフェルスタッペンは指摘する。
シミュレーターで直面した”別物感”
Courtesy Of Red Bull Content Pool
決勝レースを前にシルバーストン・サーキットのスターティンググリッドに着く19台のマシン、2025年7月6日(日) F1イギリスGP決勝
「シルバーストンは僕が大好きなコースだけど、シミュレーターで数周走ってみたら、思わず笑ってしまったよ」とフェルスタッペンは真顔で打ち明けた。
シミュレーターでの走行を通して感じたのは、自身が愛するシルバーストンとはまるで別物の感触だった。1周を通じてバッテリーが終始枯渇する状況だという。
「正直、別のコースみたいだった。1周を通して、バッテリーがほとんどないんだ。ただひたすら全開で走り続けるだけだった」とフェルスタッペンはため息をつく。
「コースのレイアウトの影響だね。これまで僕らが慣れ親しんできたシルバーストンとは、まったく違った感触になると思う」
充電の機会を奪う伝統の超高速レイアウト
なぜシルバーストンではバッテリーが枯渇してしまうのか。その理由は、回生の仕組みとコース特性にある。
基本的に2026年型マシンは、減速時にモーターを逆回転させて制動力としつつ、バッテリーを充電する。ところが、シルバーストンには5本のストレートに加えて、コップス(ターン9)、マゴッツ(ターン11)、ベケッツ(ターン13)、チャペル(ターン14)といった高速コーナーが多く、ハードなブレーキング・ポイントが少ない。つまり、エネルギーを回生する機会が乏しい。
フェルスタッペンは、レッドブル・リンクとの対比でこの問題を説明する。
「ここ(レッドブル・リンク)にはロングストレートとハードなブレーキング・ゾーンがあるから、バッテリーを充電できる」
「でもあそこ(シルバーストン)には、ロングストレートはあっても、その先にあるのが高速コーナーだったりするからバッテリーをうまく充電できないし、その次のストレートで使えるエネルギーもあまり残らない」
「厳しい週末になるだろうね」
フェルスタッペンの言葉どおりシルバーストンは「別のコース」へと変貌してしまうのだろうか。その答えは7月3〜5日のF1イギリスGPで明らかになる。