決勝後にピットレーンで勝利を祝うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とHRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダに有終の美を―フェルスタッペンを駆り立てた”相棒”への特別な想い、鈴鹿で見せた魂の走り

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ホンダのためにも勝利を――鈴鹿での53周のレースでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の脳裏をよぎったのは、彼にとっての4度のドライバーズタイトルを強力に支えた日本のエンジンメーカーへの特別な想いだった。

4月6日(日)、ホンダのお膝元・鈴鹿サーキットは、2009年のカレンダー復帰以来最高となる11万5,000人ものファンで溢れかえった。

レッドブルは開幕2戦未勝利という劣勢で鈴鹿入りしたが、フェルスタッペンは土曜の予選で0.01秒差のポールを獲得。日曜の決勝では、マクラーレンの2台から終始プレッシャーを受けながらもトップを守り、今季初優勝を果たした。

「Hondaへの感謝」や「マックス・フェルスタッペンを称えるメッセージ」が書かれたボードを掲げ、フェルスタッペンの優勝を祝福するレッドブル・レーシングのメンバー、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

「Hondaへの感謝」や「マックス・フェルスタッペンを称えるメッセージ」が書かれたボードを掲げ、フェルスタッペンの優勝を祝福するレッドブル・レーシングのメンバー、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)

「昨日の段階で既に素晴らしい一日だったけど、それを今日、勝利で締めくくれるなんて、本当に現実離れした感じだ」とフェルスタッペンは振り返った。

「ホンダとの関係は本当に素晴らしかった。彼らの仕事ぶり、プロフェッショナリズム、ひたむきな姿勢にはずっと感銘を受けてきた。彼らのおかげで僕らは4度のドライバーズタイトルと2度のコンストラクターズタイトルを獲得できた。決して忘れられない思い出だ」

表彰台で優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

表彰台で優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)

レースでは終始、後方から迫るランド・ノリスとオスカー・ピアストリの猛追を受け続けたが、それでも集中を切らすことなくチェッカーまでトップを堅守した。

「レース中、頭をよぎったんだ。今日ここで、それもホンダのホームコースで勝てたら、とんでもないことだなってね。それが、あの追撃を抑えきるモチベーションになったかもしれない」とフェルスタッペンは明かす。

「なんとかトップでフィニッシュしたい。それが実現すれば素晴らしい物語になる――そんな思いで走っていた。ホンダと共に戦う、日本でのいわば“お別れレース”だったから」

「これまでホンダと一緒に積み重ねてきた実績を本当に誇らしく思うし、最高の形で有終の美を飾れたと思う」

「あぁ、本当に最高の締めくくりになった。これ以上は望みようがない」

マックス・フェルスタッペンと角田裕毅を中心にF1日本GPの勝利を祝うレッドブル・レーシングのメンバー、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

マックス・フェルスタッペンと角田裕毅を中心にF1日本GPの勝利を祝うレッドブル・レーシングのメンバー、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)

予選でのポールポジション獲得には、ノリスがQ3最初のアタックでミスを犯したことに助けられた側面もあり、フェルスタッペンはレース前の段階で「マクラーレン勢を抑えるのはかなり難しい」と警戒感を示していた。

だが、決勝におけるRB21のパフォーマンスは予想以上だった。

「レース中、ミラーにオレンジの2台(マクラーレン)がずっと映っていた。特に終盤20周は本当にハードにプッシュしなきゃならなかった。タイヤのデグラデーションが進むのを感じながらも、限界ギリギリの走りを続けていた」とフェルスタッペンは振り返る。

「レースペースは正直、予想より良かった。気温が低かったおかげでタイヤのオーバーヒートを抑えられたのが、助けになったと思う」

「勝負の大半は、昨日の予選で決まっていたと思う。鈴鹿では前のクルマを追いかけるのが本当に難しい。年々クルマのダウンフォースは増えていて、その分、前走車に近づくのがますます難しくなっている」

「しかもDRSゾーンは1か所しかない。デグラデーションも抑えられていたから、ほとんどのドライバーが1ストップ戦略を選んだ。そういった意味でも、ポールポジションからのスタートは大きなアドバンテージだった」

「それでも僕たちは、この週末を最大限に活かすことができた。チーム全員に感謝したい」

この勝利により、フェルスタッペンは通算64勝目を記録。ドライバーズランキングでは、首位のノリスに1ポイント差まで迫った。


2025年F1第3戦日本GP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで通算64勝目を上げた。2位はランド・ノリス、3位はオスカー・ピアストリと、マクラーレン勢がこれに続いた。

バーレーン・インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦バーレーンGPは、4月11日のフリー走行1で幕を開ける。

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