マクラーレン・ホンダにとって、アメリカGPは「ポイント獲得最後のチャンス」となるのか?
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F1アメリカGPは、マクラーレン・ホンダにとってポイント獲得の最後のチャンスとなるのだろうか?2017年シーズンも残り4戦と大詰めを迎える中、ホンダF1の長谷川祐介は、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でのレースが、残された最大のチャンスになるとの認識を示した。2015年に伝説の名を復活させた両者は、今季限りで離別することが決定している。
国内ラストランとなった前戦日本GPでは、ツキに見放された影響もあったとは言え、2台ともがポイント圏外でチェッカーを受ける結果となり、鈴鹿に集まった多くの地元ファンを失望させた。
シーズン当初からトラブルに翻弄されたホンダは、今季16戦を終えて未だ23ポイントしか獲得できておらず、コンストラクターズランキングで下位にいるのは旧式エンジンを搭載するザウバーのみとなっている。タイトル首位のメルセデスは540ポイント、両者の差は23倍以上に拡大している。
長谷川同様に、レースドライバーのストフェル・バンドーンやフェルナンド・アロンソもオースティンでのポイント獲得に自信をみせている。ヘルマン・ティルケ最高傑作と名高いCOTAは、エンジン出力がラップタイムに与える影響が鈴鹿よりも小さい。また、コース幅が広い事も手伝って非力なエンジンでもオーバーテイクが容易であるという特徴を持つ。
昨年のグランプリでは、アロンソが5位入賞を飾った上にジェンソン・バトンも9位フィニッシュ、マクラーレン・ホンダがダブルポイントを獲得したシーズン最後のレースとなっている。長谷川と、マクラーレンのチーム代表を務めるエリック・ブーリエがそれぞれ抱負と意気込みを語った。
マクラーレン・ホンダ:米国GPへの意気込み
長谷川 祐介残りの4戦の中では最大のチャンス
数週間に渡ったアジアラウンドは極めて多忙を極めました。2017年シーズンも大詰めとなり、これからアメリカ大陸へと向かいます。
鈴鹿でのマクラーレン・ホンダ最後のホームグランプリでは、求めていたような結果を達成できませんでした。とは言え、ポイント獲得は叶いませんでしたが、自分たちのパフォーマンスには勇気づけられました。
アメリカGPの舞台となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズは、そのコースレイアウト特性故に鈴鹿とは全く異なるチャレンジとなります。このサーキットはハードブレーキが要求されるコーナーや、シルバーストンの有名コーナーを模倣した「S」カーブ、低速のツイストターンなど、バリエーション豊富なテクニカルトラックです。優れたドライバビリティを確保するために、各セクターに応じてパワーユニットを適切に調整することが重要となります。
このトラックは我々のパッケージに合っていると思っていますし、残りの4戦の中では最も多くのチャンスがあるグランプリになるでしょう。我々マクラーレン・ホンダは、昨年ダブルポイントを達成しています。今年も同じように二台共がトップ10圏内でチェッカーを受けられればと願っています。
エリック・ブーリエCOTA以上のサーキットはない
アメリカGPは2012年の初開催以来、印象的な評価を受けF1カレンダーの目玉グランプリとなりました。
オースティンは多くの歓楽に溢れた都市です。地元ファンは毎年F1を心から歓迎してくれるため、レースは素晴らしい雰囲気となります。また、ドライバーにとっても挑戦しがいのある素晴らしいサーキットです。多くのファンと同様に私自身も、今季のマシンがロングストレートやコーナーでどの位の速さを見せてくれるのかを楽しみにしています。
急な上り坂の上に位置する1コーナーはCOTAの象徴的な場所の1つです。様々な要素で構成されたこのサーキットは、いつも素晴らしいレースを演出してくれます。また、天気が移ろいやすい事でも有名で、その日その日でタイムシートがひっくり返されることも珍しくありません。
アメリカ出身の今のF1オーナーにとってはホームレースとなりますので、会場でどのようなイベントが開催されるのか楽しみにしています。かなり刺激的なグランプリになるのではないでしょうか。ここには常に素晴らしい雰囲気があり、私たちは毎年アメリカのファンからの心温まる歓迎を受けています。近年は益々F1への興味関心が拡大しているように感じています。
我々はみなレース魂を持つモータースポーツの大ファンです。COTAよりもレースに相応しい場所はないでしょう。