F1ポルトガルGPを前に日本メディア向けの会見に臨んだレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン
Courtesy Of Red Bull Racing Honda

フェルスタッペン、スプリント予選に前向き「プラクティスが減るのは大いに好感」

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがメルセデスの牙城足るシルバーストン・サーキットで開催される2021年FIA-F1世界選手権第10戦イギリスGPに先立って抱負を語った。

シルバーストンでの昨年のレースでは最終盤に相次ぐタイヤブローが発生。バルテリ・ボッタスとカルロス・サインツ、そしてラップリーダーのルイス・ハミルトンがトラブルに見舞われた。

この結果、確実視されたメルセデスの1-2は消滅したものの、ハミルトンはファイナルラップで3輪走行を強いられながらも5.856秒差でフェルスタッペンを退けトップチェッカーを受ける圧倒的パフォーマンスを発揮した。

フェラーリに所属していたセバスチャン・ベッテルが2018年大会を制した事を除けば、2014年に始まったV6ハイブリッド時代においてシルバーストンで表彰台の頂点に立ったのはハミルトン唯一人という状況だ。

シルバーアローの今季型W12への空力アップグレードは今週末を最後に終わりを迎える。以降はセットアップやタイヤといった部分でポテンシャルを引き出していくのみとなる見通しで、その意味においても悲願の選手権制覇を目指すレッドブル・ホンダとフェルスタッペンにとって今週末は今後のシーズンを占う重要な試金石となる。

フェルスタッペンは9戦を終えて182ポイントを獲得し、ハミルトンを32ポイント差で抑えてポイントランキング首位をキープしている。スプリント予選の開催に伴い、イギリスGPで理論上獲得可能なポイント数は通常よりも多い29ポイントとなる。

マックス・フェルスタッペンイギリスGPに向けて

今週末は大勢の観客が動員される見込みですが、英国ファンを前に戦うレースは他グランプリと比べて何か違いますか?

ファンが戻ってきてくれる事で会場の雰囲気が凄く変わるんじゃないかと思う。イギリスのファンはモータースポーツを愛する人たちばかりで、シルバーストンは特別な場所だからね。

去年行われた2回のレースは共に無観客だったから、そういう雰囲気が失われていた。もちろん、コースそのものは変わらず素晴らしいんだけど、ファンが戻ってくることで更に素晴らしいものになると思う。

確かに彼らはイギリス人ドライバーを応援しているわけだけど、そうは言っても僕は彼らのF1に対する情熱を見るのが好きなんだ。彼らにとってもエキサイティングなレースになる事を願うよ。

自身とチーム双方にとってこれまでのところ素晴らしいシーズンになっていますね

凄く良いスタートを切ることができて勿論本当に嬉しいんだけど、過去の成績を振り返ってばかりじゃいられない。常にプッシュし続けなけなきゃね。残りのシーズンも凄くタイトでチャレンジングなものになると思うけど、だからこそエキサイティングなんだ。

オーストリアでの僕らのマシンは本当に好調で(メルセデスに)先行していたのは確かだけど、フランスでの勝利は僅差だったし、チャンピオンシップは大接戦で、実際にはポイント差以上に接近していると言えるかもしれない。

この後にはメルセデスが僕らよりも有利になる可能性があるコースが幾つか控えているけど、素晴らしいチームと共に前に踏み留まるために全力を尽くしている。

ピットストップ不要の新しいフォーマットでレースが行われます

スプリントレースに関して僕は凄く前向きだよ。予選前のプラクティスがより少なくなるって部分に大いに好感を持っているけど、実際にどうなるかはやってみない事には何とも言えない。

如何なるレースであれリスクは付き物だけど、チャンピオン争いをしているときは特にリスクコントロールが重要だ。でも1回のみのレースで最終的な結果が決まるわけじゃないからいつもどおり落ち着いて取り組みたい。


イギリスGPの舞台となるのは1周5891m、全18コーナーを有するF1発祥の地、シルバーストン・サーキットだ。

昨年のグランプリでは序盤に2度に渡るセーフティーカーが導入された挙げ句、最終盤には3台がタイヤブローに見舞われる波乱のレースとなった。

結果としてはファイナルラップに左フロントタイヤをパンクしながらも執念でフィニッシュラインまで走りきったルイス・ハミルトン(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。

F1イギリスGPは日本時間7月16日(金)22時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

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