F1スプリント予選でのタイヤルール:供給セット数や使用・返却義務、スタートコンパウンド規定
スプリント予選が実施されるグランプリでは、供給セット数や使用並びに返却義務、決勝レースのスタートコンパウンド規定など、通常のレースウィークとは異なるタイヤルールが適用される。
未だ正式決定には至っておらず今後変更される可能性もあるが、現時点で判明している内容とタイヤサプライヤーのピレリからの提供情報を元に、スプリント予選開催時のタイヤルールを以下に紹介する。
追記:改訂版レギュレーションが発行され一部内容に変更があるため、最新情報はスプリント予選レースとは?を参照されたい。
供給セット数
まずは週末を通して各車に供給されるタイヤの数が変更される。晴れ用のドライタイヤは通常13セットだが、スプリント予選の週末は1セット少ない全12セットとなる。ミディアムは1セット増やされ、ソフトは2セット減らされる。
- P Zero ソフトタイヤ(レッド)… 6セット
- P Zero ミディアムタイヤ(イエロー)… 4セット
- P Zero ハードタイヤ(ホワイト)… 2セット
雨用タイヤ
なお雨用のレインタイヤは通常の週末と同じインターミディエイト:4セット、ウェット:3セットのアロケーションで変更はない。
ただし2回のフリー走行、予選のいずれか、または全てがウェットコンディションで行われた場合は、各ドライバーに追加で1セットのインターミディエイトが与えられる。
更にスプリント予選がウェットの場合も追加で1セットが供給されるため、最大で1つの週末に9セットのレインタイヤを使用できる。
使用及び返却義務
フリー走行1回目
予選直前に行われる初日金曜1回目のフリー走行では、各ドライバーはハード、ミディアム、ソフトの中から少なくとも2セットを使用しなければならなず、セッション終了後に1セットをピレリに返却する義務を負う。
フリー走行2回目
FP1とは異なり、土曜の午前に行われる2回目のフリー走行では各車、割り当ての中から自由に、そして好きなだけタイヤを使う事ができる。
予選
予選で使用できるのはソフトタイヤのみで、使用可能な数も最大5セットに制限される。ただし、その内の1セットはQ3でのみ使用可能だ。
通常のグランプリでは、Q3進出組はQ2突破タイム計測時のコンパウンドを決勝のスタートタイヤにしなければならないが、スプリント予選ではその義務はなく、全車が自由に選択できる。
スプリント予選
使用に制限はなく、各ドライバーは自由にタイヤを選択できる。また決勝レースとは異なり、2種類のコンパウンドを使用する必要もない。つまりピットインは不要だ。
チームはスプリント予選終了時に最も多くの周回を走ったタイヤをピレリに返却しなければならない。
決勝レース
グリッドポジションに関わらず、全てのドライバーが自由にスタートタイヤを選択する事ができる。ただし最低でも1回のピットストップを行い、少なくとも2種類のコンパウンドを使用しなければならないというルールは変わらない。