
F1圧縮比問題が節目へ、FIAとエンジン各社が2段階協議を計画
バーレーンで開催される2026年のF1公式プレシーズンテストを前に、エンジンの圧縮比を巡る問題が一つの節目を迎えようとしている。F1パワーユニットメーカー各社は来週、国際自動車連盟(FIA)と2度にわたり会合を行う予定だ。
英専門メディア『The Race』によると、会合は2月1日(月)と2月5日(木)に設定されており、「圧縮比を巡って続く論争を最終局面へと導く決定打となる可能性がある」と伝えている。
技術専門家会合とPUAC、2段階で協議
月曜日には、FIAが技術専門家を集めた2回目の会合を開催する。ここでは、エンジンが高温状態で作動している際の圧縮比をどのように測定・検証するかについて、テストデータを踏まえて議論し、枠組みの合意を目指す。
続く木曜日には、F1のパワーユニット諮問委員会(PUAC)が開催され、この問題が議題として取り上げられる。月曜の技術専門家会合で前向きな合意が得られた場合、対応策の導入の是非が正式に議論される可能性があるという。
今回の議論の背景には、新たな技術規則の「抜け穴」をメルセデスとレッドブルが活用しているのではないか、という一部陣営の見方がある。これは、上限圧縮比16:1の確認が常温環境で行われることに由来するもので、エンジンが高温になった際に上限を超える圧縮比を実現できる可能性があると考えられている。
FIAはシーズン開幕前にこの問題に区切りをつけたい考えとされるが、短期的にレギュレーションそのものが変更される見通しはないとされている。現在模索されているのは、すべての競争者が納得できる「高温時の圧縮比測定方法」を確立できるかどうかだ。
一致しない意見、開幕後の抗議も
すでに行われた技術専門家会合では、いくつかの基本原則について一定の前進が見られたという。ただし、新たな測定手法のすべての要素について賛同が得られたわけではなく、関係者の話では、立場が近かったのは4社にとどまったとされる。
どの陣営がその4社に含まれるのかは明らかにされていない。一方で、フェラーリ、アウディ、ホンダはこの問題について協議を行い、昨年のクリスマス前にFIAへ共同書簡を送ったと広く報じられている。
仮に合意に至らなかった場合、メルセデスやレッドブルのエンジンに不満を持つチームが、シーズン開幕後に正式な抗議を提出する可能性も否定できない。ただし、そのような動きが実際に起こるかどうかは、現時点では不透明だ。
FIAとエンジンメーカーによる来週の会合は、2026年シーズンの勢力図を左右する重要な局面となり得る。この問題では、部品の熱膨張によって実走行時の圧縮比が18:1近くまで高まり、約15馬力、ラップタイム換算で最大0.3秒程度のアドバンテージを生む可能性があると指摘されている。どこまで共通理解が形成されるのか、注目される。