フェルスタッペン、残り6戦でポイントリーダーに返り咲くも「世界が一変したわけじゃない」
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは10月10日に開催されたF1トルコGP決勝レースで2位フィニッシュを果たし、ルイス・ハミルトン(メルセデス)を6点差で退けポイントリーダーに返り咲いたが、残りのシーズンを楽観視してはいない。
フェルスタッペンはイスタンブール・パーク・サーキットでの58周のレースを通して終始、優勝したバルテリ・ボッタス(メルセデス)に仕掛ける事ができず、フィニッシュ時のギャップは14.5秒と大きく開いた。
今週末はメルセデスが予選・決勝ともにレッドブル・ホンダを圧倒する結果となった。敗北の原因についてフェルスタッペンは、単に自分達が上手くやれなかっただけだとする一方、W12が相対的な競争力を少しばかり引き上げてきたと考えている。
「今週末は間違いなく彼らの方が速かった。でもそれは僕らが上手くやれなかっただけさ。それにウエットにおいても彼らの方が少し優っていたように思う」とフェルスタッペン。
「もちろん、どうして自分たちの競争力が低かったのかを分析する必要があるけど、僕としては多分、彼らが少しばかりステップアップしたんじゃないかとも思ってる」
「だから、ポイントリーダーに返り咲いたとは言え、今後のシーズンが楽になるとは思っちゃいない」
「週末が始まる前にも言ったと思うけど、これまでのところ今シーズンは本当に良い日々を過ごせているし、フィニッシュするのが1位か2位かは僕にとって世界を変えるような事にはならない」
「僕らは諦めないしベストを尽くしていくつもりだけど、チャンピオンシップ争いの最後にそれが十分である事を願ってる。でも、仮にそうならなかったとしても僕が睡眠時間を減らす事はないよ」
フェルスタッペンは序盤の走行を通してメルセデスとの力量の差を感じ取り、第2スティント以降はポジションキープでレースを終える事のみに集中していたという。
「メルセデスと比べてペースが上がらなかった事を考慮すれば、まずまずのレースだったと思う。序盤はバルテリについて行こうとしていたんだけど、タイヤをマネジメントしなきゃならないから一旦、少し後退したんだ」
「路面が少し乾いてきた事もあり、その後、少しずつペースを上げていったけど、バルテリに仕掛けていくような状況はなかった。彼はレースをコントロールしていたし、タイヤもケアしていたからね。それに第1スティントではシャルルがかなり良いペースで僕にかなり接近していた」
「その後、タイヤがまるでスリックタイヤのように完全にすり減ってきたから、僕は『タイヤはかなり良い状態だよ』なんて言ったんだけど、路面状況はあんな感じだったし、当然かなりトリッキーだったからピットに入る事にしたんだ」
「タイヤを交換した後、残り20周位のところで、このままクルマを持ち帰ろうって決めたんだ。バルテリと戦えるようなペースはなかったし、彼についていく必要もなかった。だから基本的には最後までタイヤを保たせるよう走るだけだった」
チーム無線で何度か問題を報告する場面があったが、ボッタスとのギャップが広がっていったのはそれが原因ではなかったという。
「ギアシフトの問題じゃないよ。(ステアリングのディスプレイ上に)ギア数を示す数字の隣に文字があるんだけど、それが消えなかったんだ」とフェルスタッペンは説明した。
「ロータリースイッチを変更したら直ったんだけどね。だからパフォーマンスが制限されていたわけじゃないんだ」
「ステアリングホイールが少し左寄りになっていたんだけど、これはタイヤが摩耗していてプラットフォームが少し不揃いになっていたためで、スタートの時からそうだったんだ」
「いずれにしても、これもパフォーマンスが制限されるようなものじゃなかった」
10月10日(日)にイスタンブール・パーク・サーキットで行われた2021年F1第16戦トルコGP決勝レースでは、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペン、3位にセルジオ・ペレスと、レッドブル・ホンダがダブル表彰台に上がる結果となった。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を舞台とする次戦アメリカGPは10月23日のフリー走行1で幕を開ける。