ヘルメットを脱ぐ角田裕毅
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角田裕毅、来季F1デビューのデッドラインはF1トルコGP…ヒュルケンベルグとペレス起用も視野に入れるレッドブル

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角田裕毅は来季アルファタウリ・ホンダでF1デビューを飾れるだろうか? レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1トルコGPの週末までに来季ドライバーラインナップを明確にしたいとの意向を明らかにした。

実は、現在レッドブルとアルファタウリでドライブしている4名は全て、来季の契約を有している。だが、それは実際にシートを獲得できる事を意味するものではなく、4つのシートの内の3つはマックス・フェルスタッペン、アレックス・アルボン、そしてピエール・ガスリーでほぼ確定と見られるが、残りの一つ、ダニール・クビアトのシートは危うい。

両チームのドライバー人事を一手に引き受けるヘルムート・マルコはこの程、AvDモータースポーツ誌のインタビューの中で、具体的なドライバーの名前こそ挙げなかったが既に3つのシートは埋まっており、残る1席について「遅くともイスタンブールで4番目のポジションをハッキリさせたい」と語った。第14戦として計画されているトルコGPは、イスタンブール・パークで11月15日に決勝が予定されている。

フェルスタッペンとガスリーに疑う余地がない一方で、アルボンについては危ぶむ声も根強い。しかしながらヘルムート・マルコは「ニュルブルクリンクでのマックスとのギャップは妥当な範囲内に収まっていた。この調子を続けるならば彼は無事に2021年のコックピットを手に入れる事ができるだろう」と語っている。

国際自動車連盟(FIA)は10月9日に行われた世界モータースポーツ評議会(WMSC)において、F1出走要件であるスーパーライセンスのポイントシステム改定案を承認した。これまでは3年間で計40点のライセンスポイントを取得する必要があったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行で特定個人に不利益が生じる事態を防ぐべく、ポイント集計期間を1年延長して4年間へと変更した。

これにより角田裕毅がライセンスを取得するためのハードルは若干下がる事となった。従来は今季FIA-F2選手権でのランキング4位以上が必要とされていたが、仮に5位であっても、F1の金曜フリー走行に出走すれば条件を満たす事が可能となるものと見られる。

とは言え気になるのは「11月15日」という日付だ。F2は現時点で10ラウンドを消化しており、残るはバーレーンでの2ラウンド4レースだが、中東で行われるこのダブルヘッダーは11月27日〜29日と12月4日〜6日というスケジュールなのだ。つまり、F2が閉幕しない状況、すなわち角田裕毅がスーパーライセンスを取得できるかどうかが確定しない状況下で、ヘルムート・マルコはドライバーラインナップを「ハッキリさせたい」としているわけだ。

ポジティブに考えれば、ヘルムート・マルコは当該期日までに「最終決定する」と言っているわけではないため角田裕毅にも可能性があるとは思われるが、やや引っ掛かる部分があるのは確かだ。

また、残りのシートを争っているのがダニール・クビアトと角田裕毅だけではない点にも注意が必要だ。ヘルムート・マルコは代替案として、外部ドライバーの起用の可能性を除外していない。

ヘルムート・マルコは「マーケットに出回っている名前を挙げよう。ヒュルケンベルグとペレスだ」と語る。

「フェルスタッペンを負かすドライバーはいないと思うが、問題は、誰が彼のコンマ3秒以内に入るパフォーマンスを発揮できるのかという点にある」

「調子が良い時のアルボンはマックスとの差をこのレベルにする事ができる。とは言え、世界選手権を争うには2台が揃って競争力を発揮する事が重要だ」

ヘルムート・マルコがヒュルケンベルグを高く評価している事は、アイフェルGPの週末の出来事に照らし合わせると良く理解できる。

当初アルボンの新型肺炎検査が不確定的であった事から、ヘルムート・マルコは金曜の段階でヒュルケンベルグと話をしていた。”スーパーサブ”は、レーシングポイントRP20ではなくレッドブル・ホンダRB16でニュルブルクリンクを戦う可能性があったのだ。

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