2020年FIA-F2選手権スパで優勝した角田裕毅
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レッドブルF1、角田裕毅の金曜フリー走行起用も視野…デビューはクビアトの成績次第か

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小林可夢偉以来となる日本人F1ドライバー誕生の期待を背負う角田裕毅が、2020年シーズン中にF1の金曜フリー走行に出走する可能性が出てきた。レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが認めた。

F3参戦を経て今季よりカーリンからFIA-F2選手権に参戦している角田裕毅は、14レースを終えてポールポジション2回、優勝2回で111ポイントを獲得し、ドライバーズランキングで3位につけおり、首位を走るロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)との差は21ポイントと、シリーズチャンピオンすら視野に入れる。

アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表は、アブダビでのポストシーズンテストでの角田裕毅の起用を明言しているが、F2チャンピオンシップの動向如何では金曜フリー走行への出走の可能性もある。

ヘルムート・マルコはMotorsport-Magazinとのインタビューの中で、F1出走に際して必要となるFIAスーパーライセンス取得への熱意を示し、もしも今年、取得要件を満たさないチャンピオンシップ5位に終わる事があれば、追加ポイントを手に入れるためにF1金曜プラクティスへの出走を検討する事になると語った。

「もしチャンピオンシップで4位になれば、彼は自動的にスーパーライセンスを獲得する事になる。もし5位だった場合は、彼をF1金曜セッションで2度走らせる事を検討しなければならない」(ヘルムート・マルコ)

規約の改定によって今季からは、F1フリー走行に出走する事でもスーパーライセンス取得に必要となるポイントが獲得できるようになった。フリープラクティス限定ライセンスを持つ者であれば、1回のセッションで100km以上を走行した場合に1点を獲得できる。なおスーパーライセンス取得のためには、過去3シーズン中に所定のシリーズで好成績を挙げてポイントを40点以上獲得する必要がある。

角田裕毅、第66回マカオGPにて
© FIA FORMULA 3 series media service、角田裕毅、第66回マカオGPにて

昨年の日本GPでは山本尚貴がトロロッソ・ホンダから金曜フリー走行に出走しているが、予選・決勝には出ておらず、フルタイムでの日本人F1ドライバーとしては2014年の小林可夢偉まで遡る必要がある。仮に角田裕毅が2021年シーズンにF1デビューする事があるとすれば、それはアルファタウリ・ホンダからの参戦と見られる。

ピエール・ガスリーは時折、シニアチームであるレッドブル・ホンダのアレックス・アルボンを脅かさんとするパフォーマンスを示して首脳陣の感銘を誘っているが、ダニール・クビアトは今季型マシンAT01に苦戦し続けており、ガスリーが18ポイントでランキング12位につける一方、計2ポイントの16位と苦しんでいる。

クビアトは自身のシート喪失を心配すべきなのか? そう問われたヘルムート・マルコは「まだシーズンの半分の消化しておらず、そのような事を案ずるのは時期尚早だ」とする一方で、クビアトの進退は角田裕毅の成長次第なのかとの質問に対しては「そうかもしれない」と返した。

角田裕毅の今後の命運を握るのは彼の成績だけではない。レッドブルと同じく角田裕毅を支援するホンダは現時点で2022年以降の参戦を確約しておらず、場合によっては2021年末でF1を去る可能性もある。

仮に角田裕毅がF1デビューを果たせば、我々のようなモータスポーツメディアだけでなく、放送局や新聞社などを始めとする大手メディアが広くホンダと角田裕毅を取り上げる事になるだろう。それはホンダF1のマーケティング・ブランド価値を飛躍的に向上させるだけに、これまでの多額の参戦コストの回収にも寄与する。ホンダが角田裕毅を導くのか、角田裕毅がホンダを導くのか。否が応でも期待が高まる。