角田裕毅、2020年FIA-F2選手権ソチにて
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ホンダのF1撤退は角田裕毅のキャリアに影響しない、とアルファタウリ代表…レッドブルによる継続支援を確信

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スクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は、ホンダが2021年末を以てF1から撤退するという事実がレッドブルの若手育成プログラムに影響する事はなく、角田裕毅は今後もレッドブルから継続支援を受ける事になるだろうとの認識を示した。

ホンダとレッドブル双方の支援を受けてFIA-F2選手権に参戦している角田裕毅は、最終ラウンド2レースを残した現在、FIAスーパーライセンスの取得に必要なランキング4位を上回る3位につけており、来季アルファタウリ・ホンダでのデビューの可能性が囁かれている。

ホンダは以前から小林可夢偉以来となる日本人F1ドライバーの誕生を望むと公言してきたが、来季末を以てレッドブル及びアルファタウリへのパワーユニット供給を終了し、F1からの撤退を決断した事で、角田裕毅の将来に疑問符が投げかけられた。

しかしながらF1アイフェルGPの記者会見の中でフランツ・トストは次のように述べ、レッドブルが角田裕毅を支援しているのは純粋なパフォーマンスに依るものであり、ホンダの撤退が角田裕毅の今後のキャリアに影響を与える事はないだろうとの考えを示した。

「個人的には、ホンダのF1による影響はないと思っている。レッドブルは誰彼かまわずマシンを運転させているわけではない。彼らはジュニアドライバーの一人として彼を厳しく評価しているし、彼はF2で成果を上げている。我々は彼をバックアップしたいと思っている」

「我々スクーデリア・アルファタウリには現在、ピエール・ガスリーとダニール・クビアトという2人の速いドライバーがいる。(アブダビGP後の)若手ドライバーテストでは角田裕毅を起用する予定だが、これはホンダのF1撤退の決断とは無関係だ」

「レッドブルの哲学は常にパフォーマンスにある。彼は今季のF2で、私の記憶が正しければスパとシルバーストンで2勝を挙げるなど、素晴らしい仕事を成し遂げている」

「ウェットレースとなったオーストリアでは、先頭を走っていたものの、数周後に無線にトラブルが出たために勝利を逃す事になった。彼は本当に良い仕事をしている。決め手になるのは(ホンダの支援の有無ではなく)、ドライバーのパフォーマンスなのだ」

F1アイフェルGPの金曜プレスカンファレンスに出席したアルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表
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ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターもまた次のように述べ、フランツ・トストと同様の見解を示した。

「個人的には、我々の撤退が影響を与えるとは思っていません。レッドブルは彼をジュニアドライバーの一人として厳しく評価する事でしょう。彼がF2でどのような結果を残すのかに依るでしょうが、私たちはできる限り彼をサポートしたいと思っています」

ヨーロッパメディアにおいても角田裕毅は高く評価されており、フランスのAuto HebdoやイタリアのCorriere dello Sportは、クビアトに代わって角田裕毅が来季アルファタウリ・ホンダのシートを掴むと予想している。