バクー市街地コースでトラックウォークを行うアルファタウリの角田裕毅、2022年6月9日F1アゼルバイジャンGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅「信用していない」FIAを痛烈批判…F1ルール適用を巡り

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レギュレーションの適用を巡って混乱が発生したモナコGPを経て、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅はF1の統括団体、国際自動車連盟(FIA)を「信用していない」と批判した。

前戦モナコGPではマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスがピット出口ラインに関するルールに違反したとしてフェラーリがレース後に異議申し立てを行ったが、スチュワードによる調査を経てイベントノートに不備があった事が明らかにされた。

エドゥアルド・フレイタスが記したイベントノートの同項は前年のものを「コピペ」したもので、最新版となる2022年のFIA国際スポーツ規約(ISC)付則L第4章5項を反映したものではなかった。今季はタイヤが完全にラインを超えない限り違反にはならない。

ピットラインでの違反と言えば昨年の第9戦オーストリアGPが記憶に新しい。角田裕毅は決勝レース中に2度に渡ってピットレーン入口のホワイトラインを横切り、計10秒のペナルティを受けた

一貫性あるルール適用がなされるかどうかは、ケビン・マグヌッセン(ハース)の走行を妨害したとしてモナコで今季4回目の戒告処分を受け、あと一歩で10グリッドペナルティが科せられる角田裕毅にとって死活問題だ。

英Autosportによると角田裕毅は、F1第8戦アゼルバイジャンGPを前にピット出口ラインに関するルール適用の変化について問われると「FIAは信用していません。毎回、とんでもなく一貫性に欠けています。僕は既に4回の戒告を受けていますが、前回のモナコでの裁定に関しては、いまだに理由が分かりません」と語った。

「他のドライバーの事に言及するのは適切ではありませんが、もっと酷いことをしたドライバーがいても彼らは調査すらしませんし、かと思えば他のレースでは突然厳しくなったりと、そんな感じです」

「僕としてはレギュレーションに従い、トラブルに巻き込まれないようにできるだけ安全に走るだけです。なので、モナコでマックスとチェコ(ペレス)が大丈夫だったから次も大丈夫、とは思っていません。毎回違った判断が下される可能性があると思っています」

バクー市街地コースのパドックを歩くアルファタウリの角田裕毅、2022年6月9日F1アゼルバイジャンGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

バクー市街地コースのパドックを歩くアルファタウリの角田裕毅、2022年6月9日F1アゼルバイジャンGP

アブダビGPでの昨年の物議を経てFIAはマイケル・マシを解任とし、今季のF1レースディレクターにニールス・ヴィティヒとエドゥアルド・フレイタスを起用した。

これについて角田裕毅は「レースディレクターのスタイルがまったく違う」と述べ、総合的に見れば、レース捌きという点では経験豊富な前任のマシの方が真っ当だったとの考えを示した。

「完全に否定しているわけではありません。一貫性を追求し、全てのチームに対してできる限りフェアであろうとする姿勢は良い事だと思います。例えばコースリミットに関してはより明確になりました」

「だた、レース中のインシデントやトラフィックに関してなど、あらゆる面で比較した場合にはマイケル・マシの方が経験豊富だったように思います」

角田裕毅は自身が新体制に慣れ、新たなレースディレクターが経験を積むまでは「ペナルティを受けないように兎に角、生き残るしかないと思っています」と付け加えた。

レースディレクターが2名体制となった事が一貫性欠如の一因だと考えているのは角田裕毅だけではない。

ハースのケビン・マグヌッセンは、2人のレースディレクターの裁定に違いを感じたかと問われると「あったと思う」と述べ「以前は今よりももっと一貫していたと思う。スタンスやルールの解釈という点で全く矛盾がない方が良い」と付け加えた。

ただ、過度に心配してはいないとも述べ「これが現状だし、天気を心配してもしょうがないのと同じ様に、僕が変えられる問題でもないから、対処するよう頑張るだけさ」と語った。

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