角田裕毅「でないと追いつけない」アプグレに要求される改善量
スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は、シーズン中に投入される全てのアップグレードで「少なくともコンマ2・3秒」ずつ着実にAT04のパフォーマンスを引き上げていかなければライバルに追いつく事はできないと強調した。
第2戦サウジアラビアGPは初戦のバーレーンに続き、非常にタフなレースとなった。終盤の20周近くに渡って見事な走りで10番手を死守していたものの、残り5周でケビン・マグヌッセン(ハース)に追い抜きを許した。
ポジションを失った直後、角田裕毅は「あーっっ!!」とのみ声を上げた。罵声を立て連ね、怒りを爆発させる以前のような姿はなかった。
F1第3戦オーストラリアGPに先立ち、先の無線での叫びに触れて激しい中団争いについての見解を問われた角田裕毅は「過去2戦ではポイント獲得に迫りましたが、何台かのリタイヤに救われたのも事実です。兎に角、クルマのパフォーマンスを向上させる必要があります」と答えた。
「目指すべきは、運に左右されることなくポイントを獲得することで、同時に一貫性も必要です」
出遅れを取り戻すためには、アップグレードによって着実にクルマのポテンシャルを引き上げ、滞りなくそのパフォーマンスを引き出す術を見出していくだけでは不十分だ。
ライバルも同じように開発をプッシュしている以上、これを上回る改善率なくしては事実上、巻き返しは不可能と言える。
AT04の目下の課題について角田裕毅は、ウィリアムズとのトップスピードの差が12km/h、同じホンダRBPTエンジンを積むレッドブルとの差が10km/hというのは「大きい」として、ダウンフォースと合わせてドラッグの低減が不可欠だと訴えた。
そして、積極的なアップグレードが計画されている事は「良いニュース」だとしながらも、その各々で少なくとも「コンマ2・3秒」を積み上げていかない限り「シーズン終盤に追いつく事はできません」と強調した。
今週末のアルバート・パーク・サーキットでもアップグレードが投入されるが、僚友ニック・デ・フリースと同じようにその成果に対する期待は過度に抱いておらず、開幕戦と比べて「飛躍的に変化」する事は期待していないと付け加えた。