「覚悟の年」に挑むアルファタウリ…角田裕毅、”最後まで諦めない姿”で鼓舞
アルファタウリにとっての2023年シーズンは「覚悟の年」であるとして角田裕毅は、的確なフィードバックによって開発に貢献すると共に、一貫性を以て良いスタートを切る事がドライバーとしての自身に必要な課題との認識を示した。
アルファタウリは2020年と2021年に中団トップを争い、後者ではコンストラクターズ選手権6位を記録したものの、グランドエフェクトカーが導入された2022年には9位に後退。ランキング6位復帰をターゲットに2023年シーズンに挑んだ。
だがシーズン開幕を経てマシンの競争力不足が露呈。2戦を終えてマクラーレンと並ぶ唯一の無得点チームという状況で、約束されていたパフォーマンスがもたらされなかったとしてフランツ・トスト代表が、エンジニアに対する信頼は完全に失われたと不満をぶちまける場面もあった。
バーレーンとサウジアラビアでの開幕2戦を共に11位で終えた角田裕毅は第3戦オーストラリアGPを前に、アルバート・パークを含めた残り21戦で巻き返すためには、弱点を的確に補うマシンのアップグレードが必要不可欠との認識を示した。
昨年のアルファタウリについて角田裕毅は、全10チームの中で「アップグレードが一番少なかった」として、今年はコンスタントに新たな開発パーツを投入して、焦らず少しずつでも良いステップを踏んでいく事が重要との認識を示した。
なお、これについては技術部門も「十分に理解」しており、去年の不振を経てプレッシャーがかかる中、チーム全体が2023年シーズンを「覚悟の年」として位置づけているとして、ドライバーとして優れたフィードバックを返していきたいと強調した。
また、詳細については「言えない」としながらも、オーストラリアにアップグレードが持ち込まれる事を認め、エンジニアは進むべき「明確な方向性」を見つけていると付け加えた。
一方で角田裕毅は、ミスもなく「ほとんど100%を発揮できた」のは「すごく良かった」と述べ、これまでの自身の走りに対しては一定の合格点を与えた。
また、クルマの競争力が奮わぬ困難な状況の中で「最後まで諦めない姿」を示せたのは「チームを活気付ける」という点でも意味があったとして、満足感を示した。
唯一の問題点として上げたのは決勝でのスタートの出遅れだった。
直近のライバルの中で最もトップスピードが速い直前番長ウィリアムズ「FW45」に前を許した事で、開幕バーレーンGPでは「コーナーで詰めてもストレートで離されてしまう」展開となり、最後まで攻略する事ができなかった。
角田裕毅は、オープニングラップを上手く処理できていればポイント獲得の可能性もあったとして、昨年から続くスタートでの課題について「一貫性を高めていく」事が必要との認識を示した。
逆に、AT04の空力効率が高ければスタートでの出遅れが大きな障害にならなかったであろう事も確かだ。
角田裕毅は「アルファタウリはどちらかと言えば一番遅い」「同じエンジン使うレッドブルと比べても10キロくらいストレートスピードが違う」として、AT04のドラッグ改善が必要なのは「明白」だと強調した。
角田裕毅によれば、AT04は「マシンバランスは悪くない」ものの、ドラッグが大きい割にライバルに比べてダウンフォースが不足しており、ダウンフォース、グリップ不足を最優先で解決する必要があるという。
改善されればセットアップの幅が広がるだけでなく、タイヤマネジメントにも有効だとして角田裕毅は、特にアンダーフロア由来のダウンフォースを増やす事が「一番重要」だと語った。