デ・フリース、自身の走りに批判的…AT04のアップグレードには慎重姿勢
FIA-F1世界選手権第3戦オーストラリアGPに先立ちアルファタウリのニック・デ・フリースは、重ね重ねのトラブルに見舞われた前戦サウジアラビアGPを振り返り、自身のパフォーマンスについて批判的な見解を示した。
FP3ではパワーユニットに問題が生じ、ES(バッテリー)を除く全てのコンポーネントの交換を強いられ走行できず、予選ではデプロイメントに問題を抱え、18番手とQ1敗退を喫した。決勝では14位に終わり、チームメイトの角田裕毅共々、ポイント獲得には至らなかった。
デ・フリースはFP3の欠場が足かせになったと認めながらも、チームではなく自身の走りに焦点を当てて、終盤のパフォーマンスは「かなり力強かった」とする一方、「スタートとリスタート時にもっとアグレッシブに行くべきだった」との「批判的」な自己評価を下した。
「もちろん、自己弁護しようと思えば何百万もの言い訳を見つけられるだろう。でも僕は自分自身の事を検証するタイプなんだ。それに自分たちが前に進んでいるという実感もある」
開幕2戦では2023年型F1マシン「AT04」のパフォーマンス不足が露呈した。アルファタウリと並び未だ無得点なのはマクラーレンのみという状況で、フランツ・トスト代表がエンジニアに対する不満をあらわにする場面もあった。
クルマのパフォーマンス不足についてデ・フリースは、高望みしない程に自分達は十分に「現実的であり、また賢い」として、地に足をつけて「チャンピオンシップ争いにおける自分達にとっての小さな勝利を目指していくだけだ」と語った。
角田裕毅によると「AT04」の課題は、ダウンフォース不足とドラッグ過多に集約される。オーストラリアGPでは「幾つか」のアップグレードが投入される予定だが、デ・フリースは「他のチームも同じように開発を進めているわけで、効果については何とも言えない」と慎重だ。
「できれば中団争いでもう少し競争力が高まればと思っているけど、予選になるまでどうなるかは分からない」
「もちろん、クルマを最適化する余地は常にあるものだけど、何を以て最適化と言うかは状況に依り異なるものだ。クルマのパフォーマンスが上がっても、それを引き出すための方法を再評価、または再考しなきゃならない時もある」
「ただそれでもダウンフォースがもっと必要なのは明らかだけどね」
デ・フリースは自身初走行となるアルバート・パークでの週末に向けて、2日間に渡ってシミュレーター作業に取り組んできた。
仮想空間での作業についてデ・フリースは「最終的にはコース上での走りに役立つと思うし、ドライビング・テクニックやスキルを磨くという点でも良いことだ」と述べ、週末に向けた準備として有益なものだとの考えを示した。
「メルボルンはもちろん、僕はオーストラリアにさえ行ったことがなくてね。地球の反対側を旅して、どんな感じなのか体験するのがすごく楽しみなんだ」
「子供の頃、メルボルンでのレースを毎回見ていた事を覚えている。当時はシーズンの初戦だったよね。予選と決勝を見るために早起きしたものさ」
「長い年月を経て、実際に自分がレースをするなんて本当にワクワクする。誰に聞いても素晴らしい場所だって言うし、自分の肌で確かめるのが楽しみだ」
F1オーストラリアGPは日本時間3月31日(金)10時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。