カタロニア・サーキットのパドックを歩くアルファタウリ・ホンダの角田裕毅、2021年5月8日F1スペインGPにて
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角田裕毅、不振を巡る発言撤回「批判する意図はなかった」とアルファタウリに謝罪…バトンも手厳しい指摘

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アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は無念のQ1敗退を喫した8日のF1スペイン予選を終えて、パフォーマンス不足をクルマのせいにしたと受け取られ兼ねない一連の発言を撤回し、チームに謝罪した。

開幕バーレーンGPでのセンセーショナルなデビュー以降、角田裕毅は苦戦続きの週末を強いられおり、それは勝手知ったる第4戦の地、カタロニア・サーキットでも変わらなかった。

焦りからだろうか。角田裕毅は土曜午前のFP3ではレースエンジニアから「落ち着け」となだめられ、16番手でQ1敗退した際は無線を通して「このクルマは信頼してドライブできない!」と不満を爆発させた。

更にセッション終了後には、僚友ピエール・ガスリー(予選12番手)と比較して自分が負けている理由を問うような質問が投げかけられると「分からない」とした上で、次のように答えた。

「チームメイトと比べると、いつもフィードバックが違っていて、同じクルマなのかどうか少し疑問があります。それも毎回です。もちろんクルマは同じなのですが、性格があまりにも違い過ぎています」

「もちろん、ドライビングスタイルが違うだけかもしれません。でも、何が起きているのか、なぜこれほど苦労しているのか分からないんです」

湧き出るアドレナリンも収まったその日の夜、20歳の日本人ルーキーはソーシャルメディアを通して「チームを批判する意図はなかった」等として一連の発言を謝罪した。

「これほど才能豊かで勤勉な人たちが僕のクルマに携わってくれている事は本当に幸運な事です。チームに対して今日のコメントを謝罪したいと思います」

「クルマのポテンシャルを最大限に引き出す事ができず、自分自身に苛立ちを覚えました。エンジニアと一緒にデータを分析して、明日に向けてしっかりと改善していきたいと思います」

Instagramでの先の謝罪に続き、Twitterでも次のように頭を下げた。

「今日の僕のコメントについて謝りたいと思います。週末を通して素晴らしい仕事をしてくれたチームを批判するつもりはありませんでした」

「ただ、自分のパフォーマンスに不満があっただけです。明日は全力を尽くします」

更に日本語のツイートでは「今日は自分の走りをまとめきることができませんでした。まだまだクルマへの理解を深める必要があると感じています。チームとデータ分析を進めて、より良いセッテイングを模索していきたいと思います。明日は全力で挑むのみです!」と続けた。

角田裕毅は各方面から非常に高く評価されているものの、F1という強大なストレスとプレッシャーに晒される舞台での経験はなく、また、英語力という点でも必至に努力を重ねている最中であり、感情が先走ったかのような発言が独り歩きしがちな部分がある。

成績不振をクルマに転嫁していると誤解させるような発言は、デビュー4戦目という状況を考えると確かに懸命とは言えず、全てはリザルトで返すほかにない。

ホンダとの関係が深い2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンも、言葉に気をつけるようにと手厳しく指摘する。

バトンは、公の場でのあの手の発言は「チームから好まれない」として「彼は怒りをコントロールしなければならない」と苦言を呈し、報道陣に対して不満をぶつけるのではなくチーム内で話し合うべきだと諭した。

「このスポーツに留まりたいなら自分をコントロールできるようにならなきゃならない。特にチーム代表がフランツ(トスト)であれば尚更だ。クルマの事についてああいう物言いは良くないし、チームの事をあんな風に言ったりしてはいけない」

角田裕毅は前にジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)、後ろにキミ・ライコネン(アルファロメオ)という布陣の16番グリッドから明日のレースでの巻き返しに臨む。期待したい。

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