笑顔のフランツ・トストとジェームス・キー
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トロロッソ・ホンダ、トスト代表「今季中のエンジン交換ペナルティは避けられない」

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スクーデリア・トロロッソのフランツ・トスト代表は、今シーズン中にトロロッソ・ホンダがエンジン交換ペナルティを受けることは避けられそうにないとの考えを明らかにした上で、場合によってはグリッド降格の罰則を受ける事も検討する必要があると述べた。

ハイブリッドターボが導入された2014年以降、F1はコスト削減の一環として、段階的に年間のエンジン使用制限を厳格化している。2018年シーズンはパワーユニットを構成するコンポーネントの内、ICE(内燃機関)、ターボチャージャー(TC)、MGU-Hは年間3基まで、MGU-K、コントロール・エレクトロニクス(CE)、エネルギーストア(ES)は2基までの使用が義務付けられており、これに違反した場合、グリッド降格処分が課せられる。

圧倒的な信頼性を示し続けているメルセデスでさえも、この高いハードルをクリアするのは難しいとみる向きもあるだけに、3年に渡って数えきれない程の降格ペナルティを受けてきたホンダが、3基以内のエンジン交換で全21戦を乗り切るとは考えにくい。

ホンダとパートナーシップを組むトロ・ロッソのボスもその意見に異論はないようだが、トストはその先を見据えている。叩き上げのオーストリア人チーム代表が主張するのは、エンジン交換の可能性を想定した上で、交換によって得られる新品エンジンのパワーと、古いエンジンを使い続けることで低下するパワーとを天秤にかけ、シーズンの早い段階から戦略の妥当性を評価すべきだという事だ。トストは英Autosport対して次のように語った。

「3・4千kmを走ったエンジンを使って数百キロ走行した後にパワーダウンするか、その代わりに新しいパワーユニットを使って最後尾からスタートするかどうかの判断を迫られる時期が来るだろう」

この考え方は突飛なものではなく、ホンダ最大のライバルになると目されるルノー・スポールも同様の手法を検討すべきだと公言しており、シーズン中盤以降、戦略的な観点からエンジン交換を実施するチームが現れるのは間違いないと言える。

トロロッソ・ホンダはコンストラクターズ5位を目標に掲げており、マクラーレンやワークスルノー、フォース・インディアやウィリアムズといった競合相手を打ち負かさなければならないが、トストはホンダとのパートナーシップに自信を示しており、目標達成は決して夢物語ではないと主張する。

「我々はホンダと密接な関係を築き上げており、ホンダは大きな前進を果たしている。共に集中して作業に取り組み協力していけば、それに見合っただけの成功を手に入れられると確信している」