カタロニア・サーキットを走行する2台のハースVF-19
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ハースはレッドブル・ホンダに迫る速さを手にした、とグロージャン…アップグレードの成果を実感

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ハースF1チームのロマン・グロージャンは、第5戦スペインGPで導入されたアップグレードによって、ハースVF-19はレッドブル・ホンダRB15に迫る速さを手に入れたと考えている。

「レースペースはかなり良かったし、ある時点ではレッドブル・ホンダよりも速かったと考えている。本当に素晴らしい事だ」第6戦モナコGPを前に、バルセロナでの週末を振り返ったロマン・グロージャンはこのように語った。

ハースは開幕前からミッドフィールド先頭を争えるだけのポテンシャルを示していたが、グロージャンは開幕2戦でリタイヤを喫し、第3戦で11位完走。続くアゼルバイジャンでも、チェッカーフラッグを見ることなくレースを終え、ノーポイントの厳しいシーズンを過ごしていた。

欧州ラウンドの始まりを告げるカタロニア・サーキットでの週末、ハースは今季初となる大掛かりなアップデートを持ち込み、フロントウイングやフロアを皮切りに、マシン全体を大きく変更。金曜初日のフリー走行でグロージャンに新スペックを、ケビン・マグヌッセンに旧仕様を与えて、アップグレードの効果検証を行った。

両スペックを評価した結果、アップグレードキットの効果が確認されたため、チームは土曜に向けてマグヌッセンのマシンにも新スペックを投入。日曜の決勝レースではグロージャンが10位フィニッシュを果たし今季初入賞。マグヌッセンが7位に食い込んだ事でWポイントを得たハースは、アルファロメオを交わしてランキング7位に浮上した。

グロージャンは、レッドブル・ホンダに肉薄できるだけのスピードが得られたのは、アップグレードが功を奏したからだと考えている。

「アップグレードは非常に上手く機能していたと思う。僕らのペースはレッドブルに迫るものがあったからね。驚くべきことだよ」

「僕は今でも、アップグレードがなければ7位のままだったはずだと考えている。とはいえ、トップチームとの差はそんなに縮まっていないかもしれない。シーズンの初めから、主な課題は如何にしてタイヤを上手く機能させるかって事だったんだけど、それはバルセロナでも同じだった。パフォーマンスの差はタイヤから生じているんだ」

ハースは2019年型のピレリタイヤを適切な作動領域に入れることが出来ず、必要なグリップを引き出すことに課題を抱えていた。チーム首脳陣と二人のドライバーは、バーレーン、中国、アゼルバイジャンの各グランプリで入賞を逃したのはタイヤが原因だと考えている。

グロージャンは、依然としてタイヤに関する問題が存在していると語ったが、バルセロナでのハースはタイヤに問題を抱えているようには見えなかった。その理由についてギュンター・シュタイナー代表は次のように説明した。

「最大の違いはレーストラックのレイアウトにあった。バルセロナはタイヤへの入力がかなり大きいため、我々は上手く熱を入れる事が出来た。これは他の3つのレースでは起こらなかった事だ。事前の段階でかなり自信を持っていたが、実際にそれを証明する事が出来た」

「今後数レースではより柔らかいコンパウンドが持ち込まれる。我々の助けなるはずだ。上手くタイヤに熱を入れる事ができると思う。ただし、カナダとモンテカルロは我々にとって楽なレースにはならないだろう。とはいえ、タイヤを上手く作動させて良いリザルトが得られるように全力を尽くす」

「モンテカルロが(過去数戦と比べて)最も異なるのはタイヤ選択だ。我々は最も柔らかいC4とC5コンパウンドを使うことになる。これらのタイヤは上手く熱を入れる事が出来るだろう。良い結果が得られる事を祈っている。まずはトライしてみる事だ。木曜にはその結果が分かるだろう」

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