Gクラスより格好いい!? 世界に誇る唯我独尊、より”四角く”なった史上最強のSUZUKI 新型ジムニー
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日本が世界に誇る小型本格4WD「スズキ ジムニー」と「スズキ ジムニーシエラ」が20年ぶりの全面改良を受け、2018年7月5日新型として生まれ変わった。ジムニーは1970年に軽自動車で唯一の四輪駆動車として発売。高い悪路走破性と取り回しの良さが評価され、作業現場や山間部、積雪地の重要な交通手段として活躍してきた。
ジムニーが持つ本格的な四輪駆動の性能と価格、屈強なデザインはユーザーの心を鷲掴みにし、日本のみならず世界的に根強い人気を誇っている。世界累計285万台を売り上げてきたスズキの代表車種であるのはもちろんのこと、唯一無二のコンパクト4WDとして君臨する。
本格オフローダーの象徴とも言うべきラダーフレーム構造を備えるのは、メルセデス・ベンツGクラス、ランクルやFJクルーザー、ジープなど、乗用車の中では限られた一部の車両のみ。そこにあってジムニーは、これらの中でも圧倒的に価格優位性が高く、最も”四角い”。
奇しくも今年、最高級クロスカントリーに君臨するGクラスが40年ぶりのフルモデルチェンジを迎えたわけだが、そのフォルムは時代の要請故かやんわりと丸みを帯びてしまった。ところが新型ジムニーはその逆に先代よりもスクエアとなり、ソリッドな外板がエクステリアを形成。最高に”四角く”最高にクールな外観を備える事となった。
0.66リッターDOHC吸気VVTターボを搭載する軽自動車規格のジムニーは145万8000円(税込)から、1.5リッターDOHC吸気VVTの小型四駆ジムニーシエラは176万400円(税込)という価格体系。ジムニーの方は「XG」「XL」「XC」の3種、シエラの方は「JL」「LC」の2種類のラインナップが用意される。
合理的で無駄のない機能美を追求したデザイン
四角いと言っても、それは情緒的な、あるいは主観的な観点からデザインされたものではなく、機能性の追求の果に生まれた造形だ。曰く、専門家が愛用する「プロの道具」をデザインコンセプトとし、機能に徹した飾らない潔さを追求したのだという。
エクスエリア
雪上を走るスズキ 新型ジムニーXC
オフロードを走るスズキ 新型ジムニーXC
車両の姿勢や状況を把握しやすいスクエアボディーが比類なきジムニーの立ち位置を強調する。剛性の追求、雪がたまりにくい凹凸が少ないボディー形状、走破性・積載性を高める細部の工夫など、機能に徹したこだわりの結果が見て取れる。
スズキ 新型ジムニー・シエラ、全長:3550mm、全幅:1645mm、全高:1730mm、ホイールベース:2250mm、車両重量:1090kg、乗車定員:4名
スズキ 新型ジムニー・シエラJC
新型ジムニーシエラの方は、力強く張り出した材料着色樹脂のオーバーフェンダーとサイドアンダーガーニッシュを装備。見比べてみるとこれだけで随分と迫力が異なる事が分かる。マクラーレン 600LTやメルセデス SLS AMGは確かに格好いい。だが、ジムニーもまた同じ様に惚れ惚れするほど格好いい。
カラーバリエーションはジムニーが全13色、シエラの方は全12色を設定。ルーフカラーが車体色とは異なる2トーンも用意される。新色は2つ。吹雪や濃霧など、悪天候の中でも目立つ性能を追求した「キネティックイエロー」と、深い森の中で隠れる性能を追求した「ジャングルグリーン」が新たに開発された。
ジムニー カラーバリエーション
インテリア
インテリアデザインは運転のしやすさと操作性にこだわった機能美を追求。水平基調を基本骨格とするインストルメントパネルのおかげで悪路走行時の車両の姿勢が把握しやすくなっている。居住性の向上の為、前席のヒップポイントは30mm後方に下げられ、前後乗員間距離は40mm拡大された。
ジムニーXG 5MT インテリア
スイッチ類など操作部には、光の反射を抑え小傷が目立ちにくい質感の高いシボを採用。フロントシートフレームは高剛性化、高強度化が図られている。上下クッション性能の向上と耐圧分布の見直しによって乗り心地も向上しているそうだ。
ジムニーXC 4AT インテリア
大きな開口部を持つ荷室は、幅1300mm、高さ850mm、床面長980mmと大容量。リヤシートバック背面と荷室には防汚タイプラゲッジフロアが用意され、汚れに強く、荷物の出し入れがスムーズに行えるよう工夫されている。
4つの特徴ー進化を遂げた本格クロカン
新開発ラダーフレーム
梯子型に組んだ新開発のラダーフレームは、クロスメンバーに追加によりねじり剛性が先代モデル比約1.5倍も向上。また、車体とラダーフレームをつなぐボディーマウントゴムも新設計されており、乗り心地の改善と操縦安定性の向上が図られている。
伝統のFRと機械式副変速機付き4WD
厳しい悪路走行に有効な対障害角度を確保するため、エンジンをフロントタイヤより後方に配置。縦置きのFRレイアウトを採用した。ジムニーの方は最低地上高205mm、アプローチアングル41°、デパーチャーアングル51°を実現。一方のシエラは最低地上高210mm、アプローチアングル36°、デパーチャーアングル50°となっている。
路面状況に合わせて2WDと4WDを手動で切替える事のできる機械式副変速機付きパートタイム4WDを採用しており、4WDは4H(高速)、4L(低速)のモードに切替えが可能となっている。4Lは通常の約2倍の駆動力を発揮。急な登坂路や悪路の走破性を高める。なお、2WD時は後輪駆動となる。
高いオフロード走行を可能にする足回り
ジムニー伝統の3リンクリジッドアクスル式サスペンションの採用により、一般的な乗用車と比べ、凹凸路での優れた接地性と大きな対地クリアランスを確保。さらに、堅牢な構造により過酷な使用環境にも耐える信頼性を実現している。
全車標準装備の電子制御式ブレーキLSDトラクションコントロールは、4L(低速)モード走行時に、トルクを落とすことなく空転した車輪にだけブレーキをかけることでもう一方の車輪の駆動力を確保。脱出性能が更に向上している。
坂道発進時に役立つヒルホールドコントロールと、ブレーキの自動制御によって下り坂での車両の加速を抑えるヒルディセントコントロールも標準装備。悪路走行時のステアリングへのキックバックを低減し、高速走行時の振動を減少させるステアリングダンパーを新採用した。
信頼性を向上させたエンジン
新型ジムニーには64馬力・96Nmの専用チューニングR06A型ターボエンジンを、新型ジムニーシエラには102馬力・130Nmの1.5リッター新開発K15B型エンジンを採用。動力性能を進化させるとともに、被水や雪、飛び石などへの対策を施し、信頼性を向上させた。
予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」
安全運転を支援するスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を採用。単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」をはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、ハイビームアシスト、先行車発進お知らせ機能、メーター内に標識情報を表示する「標識認識機能」を搭載。安全装備も充実している。
史上最強のジムニー
「これぞ史上最強のジムニーと言える車に仕上げました」と開発を担当した4輪商品第二部チーフエンジニアの米澤宏之。23分にも及ぶプロモーションビデオでは、新型ジムニーの機能が詳細に解説されており、史上最強の所以がよく分かる。