勾留中の元F1スーティル「彼こそが犯罪の被害者であり、嵌められた」弁護側が声明発表

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組織的詐欺および組織的横領と報じられる容疑で逮捕された元F1ドライバー、エイドリアン・スーティルの弁護団が声明を発表した。その内容は容疑の全面否認にとどまらず、スーティルこそが被害者だという主張に踏み込むものだった。

11月27日の逮捕から1週間。現在もドイツで身柄を拘束されているスーティルの弁護を任された弁護士ディルク・シュミッツ氏が12月4日、初めて公式に反応し、依頼人の潔白を主張しつつ現在の状況を説明した。

当局は沈黙を貫いており詳細は明らかになっていないが、ドイツのタブロイド紙『Bild』によると、スーティルは先週、ドイツ・ジンデルフィンゲンにおいて、シュトゥットガルト州刑事局の捜査員に拘束された。

スーティルの逮捕と時を同じくして、ドイツ国内だけでなく、彼が拠点を置くモナコ、そしてスイスにある関連施設に対しても一斉に家宅捜索が入ったとされる。シュトゥットガルト検察庁の広報担当者は、複数の物件を捜索した事実を認めているが、詳細については言及を避けている。

なぜ勾留が続くのか?

まずシュミッツ氏が明確にしたのは、スーティルの勾留が続いている理由だ。これは罪を認めた結果でも、有罪認定を受けたためでもないという。

声明の中でシュミッツ氏は次のように述べ、国外に生活拠点を置く人物として、当局が逃亡の恐れを判断した結果の措置だと示唆した。

「現在、エイドリアン・スーティルはドイツで勾留されているが、これは基本的に彼がドイツ国内に住所を持たず、モナコにのみ居住しているという事実に基づくものだ」

「第三者への損害なし」契約解釈の相違を強調

ドイツのタブロイド紙『Bild』によると、検察側は組織的な詐欺・横領行為の存在を疑っているとされるが、弁護側はこれを強く否定する。問題の核心は犯罪ではなく、複雑な国際契約の解釈に関する食い違いだという。

「彼の認識では、第三者に対する経済的損害は一切生じていない。今回の容疑は、国をまたいだリース契約や担保契約の扱いに関するものだ。これらは各国の法的基準で判断されるため、評価が分かれる可能性のあるものだ」

これは、刑事事件として扱うべき事案ではないと暗に示唆した形だ。

ここ数年、スーティルはスイスとモンテカルロで高級車の取引ビジネスに関わっていたとされ、そこで何らかの不正が行われた可能性が指摘されている。

背後に黒幕との主張「意図的に陥れられた」

さらに声明で最も目を引くのが、事件の背景に”別のストーリー”があるという主張だ。シュミッツ氏は、スーティルが何者かに意図的に陥れられた可能性を示唆する。

「今回の引き金となった出来事や付随する状況は、私の依頼人の評判を意図的かつ誤解を招く形で傷つけようとする試みがあったことを示唆している」

「エイドリアン・スーティル自身が、ヨーロッパで発生した大規模な資産犯罪の被害者なのだ。これについては、近く詳細を発表する予定だ」

シュミッツ氏は、スーティルが加害者ではなく被害者であることを立証できると強調し、スーティル本人も真相解明のため当局に全面協力していると説明する。

「我々は、容疑が刑法上根拠のないものであると証明し、F1ドライバーとして彼の名誉が完全に回復されると確信している」

スーティル逮捕の背景は依然として不透明だ。最後にシュミッツ氏は、推定無罪の原則を尊重し、断定的な報道を避けるよう求めた。