ミック・シューマッハのシート問題、世話焼きベッテルと母コリーナを経てチーム代表シュタイナーに届く
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ミック・シューマッハはデビュー戦のバーレーンGPから一貫して座り心地の悪いシートでレースをしてきたが、その事をハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーが知ったのは本人の口からではなく、ミックの母コリーナの口からだった。
第7戦フランスGPのレース後、シューマッハが同郷の先輩であるセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)に対して、自分のクルマのコックピットの中を見せて何やら会話を交わす姿が目撃されていた(以下の動画の冒頭を参照)。一体何をしていたのか?
第8戦シュタイアーマルクGPでの会見の中でシューマッハは「シーズンの最初の段階からポジションが悪い状態でシートに座っていたんだ。シートは中央に位置してるんだけど、僕自身(の体が)が真っ直ぐじゃなくてね」と説明し、以前からベッテルにこの件を相談していて実際にシートを見てもらったのだと明かした。
シューマッハによると後輩を気遣った(?)ベッテルは、ミックの母であり7度の皇帝ミハエルの妻であるコリーナ・シューマッハに息子が抱えているシートの件を伝えて「早く新しいシートを手に入れるためには今のものを壊してしまえば良い」とアドバイスしたのだと言う。
結局このシート問題は、ミック本人からではなく母コリーナからシュタイナーの耳へと入り、ミックはこれを機にチームに対して新しいシートを作りたいと要望を出した。近い内にシート交換が行われる。
気になるのはドライビングへの影響があったのかどうかだが、 シュタイナーは「彼は自分で緊急性はないと言っていた」と語り、特に支障はなかったようだと説明した。本人は特に交換が必要だとは考えていなかったようだ。
晴れて近い内に新しいシートを手にする事となったミック・シューマッハは、翌日に行われたシュタイアーマルクGP初日プラクティスでそれぞれ18番手と17番手タイムを刻んだ。
「1日を通して着実に改善させる事ができたし、やりたいと思っていた事は全て消化できた。かなり良い線まで来ているように思う。FP2の序盤に少し雨粒が落ちる場面があったけど特に害はなかった」とシューマッハは語った。
「ドライビングにしろクルマにしろ、いつだって改善の余地はあるものだし、僕がクルマに求めているものからはさほど離れていないから、後は様々な部分で微調整繰り返すだけだ」
「ポールリカールでQ2に進出できるとは思ってもみなかったけど実際にやれたわけだから、ここでもサプライズを起こせるよう頑張るつもりだ」