マイアミ・インターナショナル・オートドロームでマクラーレンMCL36を駆るランド・ノリス、2022年5月7日F1マイアミGP
Courtesy Of McLaren

0.5秒のゲイン? マクラーレン、遂にカーボン製ブレーキカバーが復活…F1スペインでMCL36をアップグレード

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マクラーレンF1チームは2022年FIA-F1世界選手権第6戦スペインGPに新型のカーボン製ブレーキカバーを持ち込んだ。過熱対策としてウォーキングのチームは開幕戦以降、熱伝導率が低いチタン製を使用してきた。

バルセロナでの週末に先立ち、チーム代表のアドレアス・ザイドルは「幾つかのアップグレードを持ち込む」としていたが、その一つはブレーキカバーだった。開幕前日のガレージ内で2台のMCL36に装着されている事が確認された。

ホイールウイングレット、BBS製標準ホイール及び18インチタイヤの導入により、今季はブレーキ周りの排熱ソリューションの再設計が求められる事となったが、マクラーレンはカーボン製カバーを使用していた冬季バーレーンテストでオーバヒートに見舞われ、以降は一時的なソリューションとして素材と形状を変更したスペックの使用を余儀なくされてきた。

チタン製からカーボン製への回帰は、フロントブレーキ構成の見直しによって冷却問題が解決した事の表れかもしれない。

何れにせよランド・ノリスはバルセロナでの車体改良がもたらす成果に楽観的だ。噂ではマクラーレンの今回のアップグレードは1周あたり0.5秒に匹敵する価値があるともされている。

「スペインのサーキットは高速かつチャレンジングで、見に来てくれる観客も多いし僕のお気に入りなんだ。リタイヤに終わったマイアミはもう過去の事だし、今はこの先に控えるレースに完全に集中している」とノリスは語る。

「2月のテストでは良い走りができていたし、その際のデータに、これまでのシーズンで学んだ全ての知見を組み込んで検証するのを楽しみにしている」

「前戦では、コンスタントに上位を争えるようになるにはまだ時間が必要だって事が浮き彫りになったけど、悲観しない事が大切だと思う」

「こうして話をしている間にも、チームは全力でアップグレードに取り組んでいるから、それが今回のダブルヘッダーで僕らを後押ししてくれる事を願ってる」

バルセロナで行われた第1回プレシーズンテストでは、ライバルが軒並み最終3日目に刻んだタイムが最速となったのに対し、マクラーレンはノリスが初日に刻んだラップがチーム総合3番手となりパドックの驚きを誘っただけに、同じカタロニア・サーキットで行われるスペインGPでのパフォーマンスが注目される。


プレシーズンテスト会場ともなったF1スペインGPの舞台、カタロニア・サーキットは、全長4675mに16コーナーを有するマシン総合力が試されるコース。事実上、欧州ラウンドの初戦という事で多くのチームが大規模なアップグレードを持ち込む。

昨年のグランプリではルイス・ハミルトン(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、バルセロナでの5連覇を達成した。

F1スペインGPは、日本時間5月20日(金)21時からのフリー走行1で幕を開ける。

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