角田裕毅「純粋に何かが欠けている」困惑のQ1敗退、一方で逆境は”成長の好機”と前向き
6月22日のF1スペインGP予選で中国GP以来となるQ1敗退を喫した角田裕毅(RBフォーミュラ1)は、特定の要因で競争力を失っているわけではないとして困惑した様子を見せたが、同時に逆境はチームにとって成長の好機であると強調し、前向きな姿勢を見せた。
角田裕毅はこれまで4戦連続でQ3に駒を進めてきたが、カタロニア・サーキットでのグリッド争いでは新品ソフトを3セット投じてなお、15番手ギリギリで通過したランス・ストロール(アストンマーチン)に0.104秒届かず17番手に終わった。
ダニエル・リカルドも角田裕毅から100分の9秒遅れの18番手に留まり、RBは2台揃ってQ1敗退を喫した。
2回目の計測ラップを経てノックアウト・ゾーンに沈んだ角田裕毅は、バランスに問題はなく「良いラップだと思ったのに」と困惑した様子を見せた。
また、自己ベストを更新した最終ラップを経て再び「良いラップだった」と手応えを得た様子を見せたが、レースエンジニアのマッティア・スピーニから敗退の事実を知らされると「通過できなかったの?」と驚きの声を上げた。
FP3では新型と思われるリアウイングを使っていたが、予選ではFP2に続いて再び、開幕2戦で使用したと思われる旧式を搭載した。新型フロアを含む一連のアップグレードは失敗だったのだろうか?
予選を終えた角田裕毅は「チームによるとパッケージは期待通りに機能しているらしいので、(今週末の苦戦が)サーキット固有の特性から来ているものなのか、それとも別の要因があるのか、僕にはよく分かりません」と語った。
「ただ、今週全体を通して純粋に何かが欠けています。改善するために色んなことを試してみましたが上手くいきませんでした。それでも、パッケージに関しては満足していますし、できるだけのことをやったつもりです」
「セットアップに関しても、色々と試してみました。もっと上手くやれたであろう部分が幾つかあることは分かっていますが、同時に、今週中にそれが実現しないことも分かっています」
「これまでのレースがあまりに良く、僕らはこれまで難しい状況に見舞われることがありませんでした。なので、特に今年、新たに立ち上げられた僕らチームにとっては成長する良い機会だと思います」
全体的なクルマのバランスには問題なく、単にスピードが足りないだけなのか、それともアップグレードされたクルマは”スイートスポット”を見つけるのが根本的に難しいのだろうか?
この点について角田裕毅は「特にこれといったボトルネックがあるわけではありません」と説明する。
「クルマのバランスは問題ないのですが、荷重やグリップが足りないような気がします。様々なダウンフォースレベルや色んな方法を試してみたのですが、常に何かを得たり、失ったりという状況で…」
「週末に向けて完璧に準備できれば何か得られるものがあるとは思うのですが、現状では何かが足りておらず、それはリア側のグリップだと言わざるを得ません」
2024年F1スペインGP予選ではランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間6月23日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4657mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。