突如躍動するアルピーヌ、燃料とエンジンのみが理由に非ず? 4番手ガスリーは思わず笑み
3ポイントを獲得した雨天のモントリオールで行われた前戦カナダGPを経てチーム代表のブルーノ・ファミンは、スペインで現実に引き戻されることを恐れていたが、金曜のプラクティスでアルピーヌは2台揃ってトップ10に入る結果を残した。
クルマに空力アップデートはなく、表向きに明らかな変化と言えば、かつてF1追放処分を受けたフラビオ・ブリアトーレの物議の復帰くらいなものだが、ピエール・ガスリーはトップタイムから僅か0.179秒遅れの4番手を刻み、エステバン・オコンも9番手に続いた。
1日を振り返るガスリーが笑顔を浮かべたことに驚きはなかったが、ガスリーはカタロニア・サーキットでのA524のペースに「少し驚いた」と認めた。
「FP2は本当に、本当に良かったね。少し驚いた。こんなに良いペースがあるとは思ってもみなかったよ!」
「今朝は僕のクルマにエアロの問題があって、FP2に向けて修正したら、開始直後から感触が良くてね。満足いくラップが走れたし、かなり良い意味で驚いた。ポジションを確認したら笑顔がこぼれたよ!」
「クルマに関しては、まだ完全に快適とは言えない部分があるから、明日に向けて改善したいと思っているけど、間違いなく良いベースが築けたと思う」
この日のアルピーヌの”奇跡”は何によってもたらされたのだろうか?
搭載燃料が軽く、パワーユニットをアグレッシブなモードで運用していたものと思われるが、それだけでは説明がつかない。
何しろA524はシングルラップだけでなく、ロングランでもハースと並ぶ中団上位の好ペースを刻み、ソフトタイヤとミディアムタイヤの両方でRB、ウィリアムズ、アストンマーチンを上回っていたのだ。公表義務のないメカニカルコンポーネントのアップデートがあったのか、それとも。
ロングランについてガスリーは「他のドライバーと比較してどうなのかまだ見ていないから何とも言えない。気温は高いし、タイヤのデグラデーションもあった。コンディション的には昨年と似た感じになるんじゃないかな」と語った。
「今夜はフランス代表の試合(EURO2024グループステージ)があるから、このままポジティブに金曜が終わってくれるといいんだけどね!明日に向けて微調整を加え、さらに改善できるよう引き続き作業に取り組んでいくつもりだ」
2024年F1スペインGPのFP2をトップで締め括ったのはルイス・ハミルトン(メルセデス)。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)が続き、トップ3は0.055秒という僅差の争いとなった。
FP3は日本時間6月22日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってカタロニア・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。