ヘルメットを被りアルピーヌA522のコックピットに座るフェルナンド・アロンソ、2022年10月1日F1シンガポールGP
Courtesy Of Alpine Racing

歴戦の猛者アロンソをして四苦八苦の路面条件、タイトルを争っているわけでもないのに「心臓に悪い!」

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2度のF1ワールドチャンピオンに輝いた歴戦の猛者、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)をして、10月1日(土)のF1シンガポールGP予選の路面コンディションは劇的に難しいものだったようだ。

インターミディエイトからドライへと移り変わる路面条件の中、アロンソはポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)にコンマ5秒差の5番手と健闘を見せた。トップ5入りはベルギーGP以来のことだった。

インターミディエイトタイヤを履いて予選を戦うフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、2022年10月1日F1シンガポールGPCourtesy Of Alpine Racing

インターミディエイトタイヤを履いて予選を戦うフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、2022年10月1日F1シンガポールGP

スポーティング・ディレクターを務めるアラン・パーメインは「フェルナンドは教科書通りのセッションをこなした。あらゆる面で素晴らしい仕事をして、堅実な結果を残してくれた。もっと上も狙えたと思うが、彼は全力を尽くして明日のレースに向けて最高のポジションを手に入れた」と評した。

予選Q3で初めてスリックタイヤに履き替えたドライバー達は冷や汗ものの瞬間を何度も味わう事となった。アロンソもまた同じような瞬間に肝を冷やしながらも、ランド・ノリス(マクラーレン)に0.618秒差をつけ6番手に追いやった。

「いやぁ、、今日は信じられないくらい難しかったよ」とアロンソ。キャリア349戦を通して数々の経験を積んできた大ベテランにとってでさえ、この日のコンディションは過度のストレスをもたらすものだった。

「ストリートサーキットはコンディションが変わりやすいし、コース上にはずっとダンプがあった。幾つかのコーナー、特にターン17がそうだった」

「だからQ3でドライタイヤに履き替えるのは誰にとってもかなり勇気がいることだったんだ。でも、一旦やると決めた以上、止めてしまうんじゃ意味がない」

「つまりやり遂げなきゃならないわけで、各コーナーのグリップレベルを推測しながら走る必要があったんだけど、あれは本当に大変だった」

アロンソは「テレビで見る分には良いだろうけど、走っていて楽しくはなかったよ!」と笑った。

「結果には凄く満足してるけどね。なんたってトップ5なんだから。ドライでもウェットでも5番手なんてあり得ないわけだから、それだけ良いラップを刻めたって事だと思う」

また、The Raceによるとアロンソは、タイトルを争っているわけでもないのに「大した見返りもなくこれ程のリスクを冒すなんて心臓に悪いよ!」と冗談を飛ばした。

「ストレスが溜まるセッションだったのは間違いない。リスクとストレスが高すぎて、楽しめるような状況じゃなかった」

チャンピオンシップ争いとは無縁の今のアロンソにとっての唯一の楽しみ(?)は、外野を唖然とさせるレース結果を飾る事だろう。

日曜の決勝スタートでアグレッシブな走りが期待されるところだが、アロンソは「明日はかなり退屈なレースになって、最後までトップ5をキープするだけだろうね」と消極的だ。

なお18番手でQ1敗退を喫したエステバン・オコンは不振の理由について「ブレーキに問題があるように感じた。それが今日のセッションの妨げになった」と説明した。


2022 F1シンガポールGP予選ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手にセルジオ・ペレス(レッドブル)、3番手にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。

シンガポールグランプリの決勝レースは日本時間10月2日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周5,063mのマリーナベイ市街地コースを61周する事でチャンピオンシップを争う。

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