ザウバー 創立50周年、懐かしの写真と歴代ドライバーによるスペシャル映像
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2020年5月15日、ザウバーは1970年5月15日のチーム創立から50周年を迎えた。ヒルクライム参戦のために立ち上げられたペーター・ザウバーの名を冠するスイスのレーシングチームは、その後サーキットレースへと転向し、20年近くに渡ってスポーツカーレースで成功を収めた後、1993年にF1に初参戦した。
F1という荒波に揉まれてケータハムやスーパーアグリといった無数のチームが夢半ばに姿を消す中、ザウバーはプライベーターとして27年に渡ってオープン・ホイール最高峰で戦い続けてきただけでなく、その後のF1ワールドチャンピオンを含む多くの若き才能をF1の表舞台へと送り込んだ。”アルファロメオ”の名を掲げるスイス・ヒンウィルのチームにカムバックしたキミ・ライコネンもその一人だ。
© Sauber / ザウバー時代のキミ・ライコネン、2001年
F3の出走経験すらなかったものの、創設者ペーター・ザウバーにその才能を見いだされ、2001年にF1デビューを飾ったフィンランド人ドライバーは、50周年の節目に寄せて次のコメントを発表した。
「50歳の誕生日を迎えたザウバーに最高の祝福を送りたい。ザウバーでF1デビューを果たした僕にとっては本当に大きな意味を持つチームだし、共に過ごした素晴らしい時間に感謝している。もちろん、僕が加わる前から素晴らしい歴史があったけど、チームはその後も素晴らしい仕事をしてきた」
「そして今、僕は再びこのチームに帰ってきた。長きに渡るザウバーの歴史に新しいチャプターを刻むための準備は万全だ。今後も素晴らしい思い出に恵まれる事を願っている」
ザウバーはこのアニバーサリーに際して記念のロゴを発表すると共に、2020年シーズンのレギュラードライバーであるライコネンとアントニオ・ジョビナッツィ、そして、ハインツ=ハラルド・フレンツェンやジャンカルロ・フィジケラ、そしてロバート・クビサ等、かつてザウバードライバーとしてF1を戦った者達による祝福のメッセージを収めた動画を公開した。
今日のザウバーグループは、レースで培われたノウハウを基にして、サーキットだけでなく産業界においても世界の舞台で活躍している。ザウバー・エンジニアリングは3Dプリントに代表される付加製造技術の分野において、スイスで最も先進的な企業としての立場を確立させた。その風洞はモータースポーツのみならず、自動車産業界までをも含めて最も先進的な設備を備えたものとして広く認知され、様々なクライアントに貸し出されている。
曰く、ザウバーがこれまでに重ねた走行距離は地球の100倍以上の大きさを持つ太陽50ラップ分に相当するという。距離に換算すると6,963万5000km。以下ザウバーの半世紀に渡る歴史の一部を、懐かしい写真とともに駆け足で振り返ってみたい。
© Jimmy Froidevaux、ザウバーC8、1986年ニュルブルクリンクにて
© Jimmy Froidevaux、1989年のル・マン24時間レースを走るザウバーC9
© Jimmy Froidevaux、ハインツ=ハラルド・フレンツェンとミハエル・シューマッハ、1990年
© Jimmy Froidevaux、ザウバーC11に乗るミハエル・シューマッハ、1990年
© Jimmy Froidevaux、ザウバーのF1初戦となった1993年開幕F1南アフリカGP キャラミGPサーキットにてイルモア3.5リッターV10エンジンを積むザウバーC12を駆るJ.J.レート
© Sauber、ザウバー時代のフェリペ・マッサ
© Jimmy Froidevaux、ペーター・ザウバー、2005年F1オーストラリアGPにて
© Sauber、F1デビュー戦に臨むBMWザウバーのセバスチャン・ベッテル、2007年カナダGPにて
© BMW AG、2008年のF1カナダGPで1-2フィニッシュを飾ったBMWザウバーのロバート・クビサとニック・ハイドフェルド
© Sauber、2012年F1日本GPで表彰台に上がった小林可夢偉
© Sauber、ザウバー時代のシャルル・ルクレール、2018年F1オーストリアGP
© Alfa Romeo Racing、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィ