F1ドライバー育成機関「ザウバー・アカデミー」創設、フィッティパルディJr.が第一期生に
F1世界選手権に参戦するアルファロメオ・レーシングの運営母体、ザウバー・モータースポーツは2020年6月24日(水)、次世代のF1ドライバーを育成することを目的とした若手育成プログラム「ザウバー・アカデミー」を創設し、4人のドライバーを迎え入れた事を明らかにした。
記念すべき第一期生には、F4ドイツ選手権王者のテオ・プルシェール、ザウバー・カート・チームの卒業生であるデクスター・パターソン、フォーミュラ・ルノー・ユーロカップに参戦するペトル・プタチェク、そしてF1とCARTのダブルチャンピオンを父に持つエマーソン・フィッティパルディJr.が選ばれた。
ザウバー・アカデミーに加入したエマーソン・フィッティパルディJr.
フランス出身のプルシェールは今季、FIA-F3選手権にステップアップし、チェコ出身のプタチェクは2019年に複数回の表彰台を獲得した現在のシリーズへの参戦を継続する。スコットランド出身のパターソンはイタリアF4選手権でシングルシーターデビューを果たす予定で、2度のF1ワールドチャンピオンの息子はザウバー・カート・チームのOK-Jカート選手権に参戦する。
若い才能の発掘と育成という点でザウバーの実績は豊富だ。ミハエル・シューマッハ、ハインツ=ハラルド・フレンツェン、セバスチャン・ベッテル、ロバート・クビサ、セルジオ・ペレス、キミ・ライコネン、そしてアントニオ・ジョヴィナッツィといったドライバーがザウバーでキャリアの初期を過ごし、その後大ブレイクを果たしている。
ザウバー・モータースポーツAGのフレデリック・バスールCEOは「若い才能への投資は我々ザウバーのレース哲学の中核だ。このアカデミーは才能ある若手を発掘して彼らのキャリアを導くために存在しており、モータースポーツの世界で成功するために必要となるツール、教育、そしてリソースを提供するのが目的だ」と説明した。
スポーツ・ディレクターを務めるビート・ゼンダーは「才能溢れる4名のドライバーたちとの仕事を楽しみにしている。彼らは各々キャリアの異なる段階にあるが、誰もがF1への道のりにおいて必要とされるスキルを備えている。私は長年に渡って多くのドライバーがモータースポーツのトップカテゴリーでデビューするのを見てきたが、出来るだけ若いうちにスキルを身につけた方が長期的に利益を得る事ができるというのは事実だ」と語った。
ザウバー・アカデミーではメンタル及びフィジカルトレーニングは勿論、エンジニアとの技術的作業、メディアトレーニング、シミュレーター作業(F1用を含む)などの形で未来のスターを育成していく。
息子のアカデミー入りについてエマーソン・フィッティパルディは「凄く嬉しい。彼はモータースポーツ界で類まれな威信と経験を持つザウバーの指導を受けることになった。エモJr.はF1ドライバーという夢の実現に向けて足元を固めている。フレデリック・バスールとビート・ゼンダーとは長年の付き合いだ。彼らであればコースの内外を問わず、エモJr.が成功するための適切な指導をしてくれると確信している。このような機会を与えてくれたことを神に感謝したい」と語った。
エマーソン・フィッティパルディの甥のエンツォはフェラーリ・ドライバー・アカデミーのメンバーで、もう一人の甥のピエトロは現在、ハースF1チームのテスト兼リザーブドライバーに登録されている。