事故のリカルド、次戦アブダビで罰則…”理解”を示すマグヌッセン。夢のような初ポール週末をDNFで終える
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ケビン・マグヌッセン(ハース)との接触についてF1サンパウロGPのスチュワードは、ダニエル・リカルド(マクラーレン)に「全面的な責任」があるとして、次戦での3グリッド降格と2点のペナルティポイントを科す裁定を下した。
オープニングラップのターン8でリカルドはマグヌッセンのリアに衝突。ハースVF-22はスピンを喫し、両者は71周のレースのスタート直後にリタイヤした。
スチュワードは両ドライバーから聴取を行い、複数角度からの映像、マクラーレン側から提出されたGPSデータ、テレメトリーデータを分析・検証した。
スチュワードによるとマクラーレンは「マグヌッセンはターン8の出口で先行する他のクルマよりも遅かったため、(リカルドが)接近速度を判断するのは困難で、その結果、2台が接触した」と訴えた。
当のリカルドは、マグヌッセンとの接触を避けるべく「十分に減速」したものの「僅かに判断を見誤った」と認めた。
スチュワードは、今回の接触は「無謀」なドライビングによるものではないとしながらも、事故に関与したのは当事者2台のみであり、”レーシングアクシデント”の判断要因となる「1周目のインシデント」には該当しないと説明した。
そして、マグヌッセンのドライビングには何も問題なく、一件の「全面的な責任」はリカルドにあるとして、次戦での3グリッド降格処分を科す決定を下した。
キャリア初の予選ポールシッターに輝いた夢のような週末はリタイヤという最悪の形で幕を閉じる事になったものの、キャリア140戦を誇るベテランのマグヌッセンはリカルドに対して理解を示した。
「車は今週末すごく速かった。でもしょうがない」と30歳のデンマーク人ドライバーは語った。
「ダニエル(リカルド)だってわざとやったわけじゃない。確かに僕らにとってそれは何の助けにもならないけど、前に進むしかない」
「僕らは常に上位にいられるほどの競争力がないわけで、その意味では今週末の素晴らしいペースを十分に生かせなかったのは残念でならないけどね」
一方のリカルドは、衝突の規模を考えれば2台ともがリタイヤに終わってしまったのは不運だったとの考えを示した。
「こんなに早くレースが終わってしまうのはいつだって辛い。ケビンの後ろに接触してしまった」とリカルド。
「僅かに接触しただけだったのに、それが重大な結果に繋がってしまったことが何より残念だ。まさかスピンするなんて…接触した角度のせいで、彼のリアが浮いてしまったんだと思う」
「たいていの場合、このくらいのちょっとした接触だとなんともないはずなんだけど。だからお互いにとってかなり不運だったと思う」
「波乱万丈のレースだっただけに走れなくて悔しい。チームにもイギリスのファクトリーの皆にも申し訳なく思ってる。リセットしてアブダビでのレースに臨みたい」
リカルドは金曜の予選後、ポールポジションを獲得したマグヌッセンをInstagramで称えた。
11月13日(日)にインテルラゴス・サーキットで行われた2022年F1第21戦サンパウロGPの決勝レースではジョージ・ラッセルがキャリア初優勝を飾り、2位にルイス・ハミルトンが続いた事で、メルセデスが1-2フィニッシュを飾った。3位表彰台にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が滑り込んだ。
ヤス・マリーナ・サーキットを舞台とする次戦、今季最終アブダビGPは11月18日のフリー走行1で幕を開ける。