2020年F1サクヒールGP予選を3番手で終えた直後のレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン
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フェルスタッペン、勝利を目指して援護射撃なしにメルセデス”勢”と対峙「ラッセルの存在を無視する事はできない」

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは6日(土)に行われたF1第16戦サクヒール公式予選を終えて、2番グリッドに付くジョージ・ラッセル(メルセデス)は無視する事のできない手強いドライバーであるとして、優勝を狙いにいくためにはポールシッターのバルテリ・ボッタスだけでなく、2台のメルセデスを相手にする必要があるとの認識を示した。

高速のアウタートラックで行われたグリッド争いでフェルスタッペンは、ボッタスに僅か1000分の56秒の3番手に甘んじた。直前に行われたFP3ではファステストを記録しており、これまでの週末と比べれば遥かにポールポジションの可能性を秘めていただけに、フェルスタッペンは文字通りの紙一重でポールを逃した事に悔しさを滲ませた。

予選を振り返ったフェルスタッペンは「確かに僅差ではあったけど、あれじゃ十分とは言えない」と語った。

「常により良い結果を願ってはいるけど、このコースで3番手というのはかなり良い結果だし、予選そのものには満足して良いと思う。とは言え、あれほどの僅差でポールを逃したわけだから少し悔しい」

瞬きよりも遥かに短いギャップであっただけに何か手はなかったのだろうかと思うところだが、フェルスタッペンは「限界までタイムを絞り出せたと思ってる」とも述べ、これ以上メルセデスとの隙間を埋める術はなかったとの考えを示した。

更にフェルスタッペンは、ボッタスがスリップストリームの恩恵なしにタイムを残した点に触れて「実際のギャップはもう少し大きいはずだ」とも指摘した。

如何にチャンピオンマシンに乗っているとは言え、ラッセルがW11をドライブしたのは今回が初めてであり、1ラップのみを競う予選はさておき、87周の長丁場となる決勝レースでボッタスやルイス・ハミルトン程の働きができるかどうかは不透明だ。

ラッセルは自身よりも小柄なハミルトン用に最適化された狭いコックピットに長身を押し込み、ドライブしづらい環境でレースを戦わなければならず恐れるべき敵ではないようにも思われるが、今季2勝目を狙うオランダ人ドライバーはそうは考えていない。

フェルスタッペンは「レースでのメルセデスは2台ともが速さを見せつけてくるだろうし、ジョージ(ラッセル)は優れたドライバーだから、勝ちにいくためには(1台ではなく)両方のマシンに注意を払わなきゃならない」「彼がいきなり勝つ可能性はあるかって? あり得るだろうね」と述べ、警戒を怠ることはできないと主張した。

悪いことに、もう一台のRB16を駆る僚友アレックス・アルボンが12番手と沈んだため、フェルスタッペンは援護射撃なしに単独で優勝争いに挑む必要がある。構図としては1対2の劣勢だ。

ペース的に厳しいとするならば、タイヤ戦略で活路を開く事は可能だろうか? Q2進出の際にミディアムからソフトに履き替えてタイムを残したため、フェルスタッペンは決勝で上位2台とは異なり最も柔らかいコンパウンドを履いてグリッドに付く事になる。

吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知るセカイだが、フェルスタッペンはスタートタイヤの違いに触れて「どういう展開になるのか楽しみにしている」と述べ、更に「前にも言ったけど僕らに失うものは何もないわけだから、明日は少し楽しみながら全力でレースに取り組んで結果を待ちたい。良い戦いができる事を楽しみにしている」と前向きな姿勢を強調した。


2020年 F1サクヒールグランプリ決勝レースは、日本時間12月7日(日)2時10分にスタート。1周3,543mのバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラックを87周する事でチャンピオンシップを争う。

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