アルボンの言う通りだった…サインツ、虫垂炎手術後の身体がGフォースを受けた際の”奇妙”な感覚を説明
カルロス・サインツ(フェラーリ)は自身の身体が「100%」整っていると感じる事が「不可能」な状況ながらも、虫垂炎(盲腸)明けのF1オーストラリアGP予選で最前列2番グリッドを持ち帰った。
見事なカムバックを果たしたアルバート・パークでのポール争いを経てサインツは、今も体調が「100%万全」ではないと明かした。
「療養のために7~10日間もベッドで寝ていたんだから、100%なんて無理な話だと思う。でも幸いな事に痛みはないんだ」
「ただ、不快感があってね。プッシュする事はできるし、特に今日は全力で攻める事ができたけど、体の内側が明らかに少し変なんだ」
虫垂炎と言えばアレックス・アルボン(ウィリアムズ)だ。昨年のイタリアGP予選の当日に発覚し、その日の午後に腹腔鏡手術を受けるも麻酔合併症による呼吸不全に陥り、集中治療室に移される事態となった。
サインツは事前にアルボンから色々とアドバイスを受けていた。その中には、手術後の身体がGフォースを受けた際の”奇妙な”感覚についての話があった。
「あまり詳細には触れないけど、クルマに乗る前にアレックスから聞いていた通りだったよ」とサインツは説明する。
「盲腸を摘出した後、Gフォースを受けた際に体内のあらゆるものが、いつも以上に動いているように感じるって言ってたんだ」
「体幹や身体を支える感覚を取り戻す必要があるけど、それに関しては慣れの問題だし、痛みはなく、心配するような事はなにもない」
「ただ、ドライビングの際に慣れなきゃならない奇妙な感覚なんだ。特にこの手のサーキットではね」
「ここではブレーキングやコーナーで5Gとか6Gの力がかかるから、体の中で起きる動きがハッキリと分かるんだよ」
「でもさっきも言ったように痛みはないし、対処可能なことなんだけどね」
ポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とは0.270秒という大差がついたが、体調が万全であれば逆転できたとサインツは考えている。
「今の時代、マックスに勝つには100%でなきゃならないと思う。今日はそうじゃなかった。多分、僕がポールを逃したのはそのせいだと思う」
「もし今日の僕が100%の仕事ができていれば、ポールポジションは可能だったと思う」
「それは明日も同じだ。マックスに勝つには100%でなきゃならない。それをやってのけるために全身全霊を尽くすつもりだ」
「何しろシンガポール(サインツが勝利を飾りフェルスタッペンが優勝を逃した最も最近のレース)から暫く経つと言うのに、彼はそれ以来、ずっと一番上に立ち続けているからね」
「もしも僕らに良いペースがある週末があるとすれば、それは今回のレースだ。オーバーテイクするにはトリッキーなコースだし、タイヤにも厳しい。だからどうなるかなんて誰にも分からない。僕らにチャンスがあるかもしれない」
2024年F1オーストラリアGP決勝レースは日本時間3月24日(日)13時にフォーメーションラップが開始され、1周5278mのアルバート・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。