ピエール・ガスリー、AT01の開発の方向性に手応えも「ソチで上手く機能するかは分からない」
アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが、2020年FIA-F1世界選手権第10戦ロシアGPに先立って抱負を語った。昨年のレースでは予選11番手と健闘するも、レースでは14位とトップ10フィニッシュには至らず、ノーポイントゲームに終わっている。
ギアボックスやこれに付随する油圧・電子関連のシステム、フロントサスペンションは前年のレッドブル「RB15」を流用し、更に燃料システム、ブレーキ、ステアリングに関してはレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズとの提携の利点を最大限に活かすなど、今季AT01は一貫して高い競争力を維持し続けており次戦ロシアGPでもトップ10を狙えるだけのパフォーマンスが期待されるが、ガスリーは慎重な姿勢を見せている。
AT01がソチで上手く機能するかは分からない
ピエール・ガスリー
モンツァでの優勝を経て挑んだムジェロでのグランプリは、このスポーツの本質を突きつけるものだった。金曜と土曜の午前のセッションで5番手タイムを刻むなど、僕らには高い競争力があり、今シーズンベストのフリー走行だったけど、予選で問題が出てしまった。
それでも決勝レースでは順位を上げられる自信があった。でも、残念ながらレースはターン1を過ぎた所で終わってしまった。その後のレース展開を考えれば良いリザルトを掴めるチャンスがあったはずであるだけに残念だけど、これがレースというものなんだ。
本当に慌ただしいスケジュールが続いていたから、メカニックやエンジニアの事を考えても、ソチに向けて休む時間が取れて良かったよ。心機一転、ベストな状態でレースに挑めるしね。
ソチは過去数戦のどのサーキットとも異なるタイプのコースだ。コーナーの大半がどれも似たりよったりな4速か5速の90度コーナーで構成されていて、全体としてモンツァやムジェロよりも遥かに低速で、ある意味、ストリート・サーキットに近いと言える。
興味深いコースだけど、僕らのマシンがどの程度上手く機能するかという事については、今のところ何とも言えない。ただ、ムジェロの時よりも多くの観客が見に来てくれるのは間違いなく良い事だと言えるね。雰囲気も良くなるだろうし。
クルマの開発は正しい方向に向かっていると思う。パフォーマンスを最大限に引き出すためのセッティングについての知見も増えてきてるし、パフォーマンスそのものもかなり安定している。それに、改善し続けている事を毎週末に渡って証明できている。このマシンの動作の仕方への理解も深まってきたし、導入したアップデートも上手く機能しているように思う。
ここ最近のレースで様々な出来事があった事からも明らかなように、いま重要なのはトラブルに巻き込まれないようにする事だ。
スパとモンツァ、そしてムジェロでも予選までは良いパフォーマンスを示せていたから、この上向きの勢いをキープしていきたい。中団グループは信じられないほどの接戦になっているから、ライバルと戦うためにはすべてを完璧にこなすことが重要だ。
ムジェロでの週末が終わるまで本当に慌ただしかったから、モンツァから数週間が経った今になってようやく、あの勝利を味わい、そして少し楽しむ余裕が出てきた。あれは当然、チーム全員の努力の賜物だし、本当に素晴らしい瞬間だった。レースチームだけでなく裏方のスタッフも含めた全員にとって本当に大きな後押しになったと思ってる。今後もシーズン開幕からの好調な勢いを維持していかなきゃね。
ロシアGPの舞台となるのは五輪会場の跡地に建設された1周5,872mのソチ・オートドローム。コーナー数は16で、平均速度は時速210kmほど。ドライコンディションとなった昨年のグランプリでは、ルイス・ハミルトンがポールシッターのシャルル・ルクレールを打ちのめして優勝を飾り、2位にバルテリ・ボッタスと、メルセデスがソチ無敗記録を更に更新する結果となった。
F1ロシアGPは、日本時間9月25日(金)17時からのフリー走行1で幕を開ける。