ホンダF1、フェルスタッペンが20番手から2位表彰台!王座戦ダメージ最小限で「非常にポジティブな結果」と田辺TD
ホンダF1エンジン勢は第15戦ロシアGPで、パワーユニット交換に伴う降格で最後尾20番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンが大逆転の2位表彰台登壇を果たし、チャンピオンシップ争いにおけるダメージを最小限に抑えた。
ハードタイヤを履いてグリッドについたフェルスタッペンは1周目に3ポジションアップを果たすと、5周目のターン12でバルテリ・ボッタス(メルセデス)を鮮やかにオーバーテイク。13周目を終えて8番手にまで挽回した。
26周目にミディアムタイヤへと交換すると、その後もポジションを上げていき終盤に向けて入賞圏内7番手にまで浮上した。そして雨粒が落ち始めた残り5周というタイミングでインターミディエイトに履き替える判断が功を奏し、最終2位でチェッカーフラッグを受けた。
ソチ・オートドロームでの53周の争いを振り返り、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「今日のロシアGP決勝は最終盤に降り出した雨により波乱の展開になりました」と語った。
「その中で、最後尾からスタートしたレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が多くのオーバーテイクを決め、雨も味方につける形で2位表彰台を獲得しました」
「PU交換のペナルティーから見事にポジションを回復して2位のポイントを獲得できたことは、この先も続くチャンピオンシップ争いに向けて非常にポジティブな結果です」
「8番グリッドからスタートしたペレス選手は上手くスタートタイヤをマネージし、雨で大きくポジションが動き出すまでは表彰台も可能なレースを見せてくれましたが、雨脚が予想より強まったことでポジションを落とし、9位という結果に終わりました」
ルイス・ハミルトンがキャリア通算100勝目を上げた事でフェルスタッペンはポイントリーダーの座をライバルに許したものの、その差は僅か2ポイントと、PU交換に伴うダメージを最小限に抑えた。
順位 | ドライバー | チーム | 差 | 点 |
---|---|---|---|---|
2 | フェルスタッペン | レッドブル | +53.271s | 18 |
9 | ペレス | レッドブル | +90.076s | 2 |
13 | ガスリー | アルファタウリ | +1 lap | 0 |
17 | 角田裕毅 | アルファタウリ | +1 lap | 0 |
アルファタウリ勢は雨の有無に関わらず、ポイント獲得に足るパフォーマンスを発揮できなかった。降雨に際してはスリックを選択するギャンブルに打って出てポジションを落とした。
角田裕毅は12番グリッドからスタートしたものの1周目を終えて最後尾20番手に転落。17番手より上のポジションを走る事は一度もなく、16位アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)の19秒後方でレースを終えた。
チームの戦略判断に激怒した予選を経て11番グリッドについたピエール・ガスリーの方もペースが上がらず、加えて最終盤の雨を味方につける事も叶わずに13位でヘルメットを脱いだ。
田辺TDは「アルファタウリ・ホンダの2台はレース中、終始DRSトレインの中での走行を強いられ思うようにポジションアップできず、また最後の雨に足を引っ張られる形で2台共に入賞圏外に終わったことは残念に思っています」と続ける。
「フェルスタッペン選手がハミルトン選手に2ポイント差でドライバーズチャンピオンシップのリードを譲る形にはなりましたが、まだまだ熾烈な争いが続きます」
「またすぐに次のレースがやってきますので、そこでいいレースをできるように十分に準備を進めていきます」
イスタンブール・パーク・サーキットを舞台とする次戦トルコGPは2週間後の10月8日のフリー走行1で幕を開ける。