フェルスタッペン、マルコ解任なら自身もレッドブルF1離脱を宣言との報道
権力闘争が囁かれるレッドブルのエースドライバー、マックス・フェルスタッペンが、仮にヘルムート・マルコが解任された場合、自身もチームを離れるとの意向をレッドブル社の株主ならびに企業プロジェクト・新規投資部門CEOを務めるオリバー・ミンツラフに伝えたと報じられている。
ブラジルの大手日刊紙「グローボ」は先週末、最終戦を待たずに2023年のF1ダブルチャンピオンを獲得した英国ミルトンキーンズのチーム内で「権力争い」が激化していると伝えた。
レッドブル・レーシングの取締役にしてモータースポーツ・アドバイザーを務めるマルコの解任を企てていると報じられたチーム代表兼CEOのクリスチャン・ホーナーは、現在のキャリアを語る上で欠かせぬ恩人であるマルコを解任する意思は一切ないとして、本人が辞めたいと望むまで「我々の仕事のやり方が変わることはないだろう」と述べ、報道を否定した。
一方のマルコは、創業者ディートリッヒ・マテシッツ死後のレッドブルは大なり小なり権力闘争に似通った状態にあると認めつつも、角田裕毅の処遇を巡ってホーナーと対立したとの報道については「憶測に過ぎない」と退け、進退を決めるのはホーナーではなく自身だと強調した。
チーム内に排斥の動きがあるのかどうかは定かでないが、仮にそうであるとするならば、マルコに対するフェルスタッペンの忠誠心が問題の収束に大きな役割を果たす可能性がありそうだ。
独「F1-Insider」は信頼できる筋から得た情報として、世界的エナジードリンク企業の51%株を持つタイの株主ならびにミンツラフとの個人的な会話の中でフェルスタッペンが、マルコが去らなければならないのであれば自身もチームを離れると明言したと伝えた。
また、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハも独「Sky Sports」に対し、「Dr.マルコはかなり早い段階で昇進させるなど、常に彼の味方だった」として、フェルスタッペンはマルコの解任を「容認しないと聞いている。むしろホーナーなしでもやっていけるだろう」と述べ、次のように付け加えた。
「Dr.マルコとフェルスタッペンの関係を過小評価すべきではない」
マルコは、ある種の権力闘争が存在している事を認めているが、その舞台に立つ人物がホーナーであるとは明言していない。レッドブル内部の権力闘争が最初に囁かれたのは、昨年11月にミンツラフがレッドブル・ファミリーに加わった時だった。