ルノーのパワーユニット

ルノーF1、フェラーリ・メルセデスとのエンジン性能差は34馬力と分析

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ルノーF1チームのマネージング・ディレクターを務めるシリル・アビテブールは、メルセデスやフェラーリとのエンジン性能差は予選で54馬力、決勝で34馬力の開きがあると分析している。

1.6リッターV6ハイブリッドターボエンジン、通称パワーユニットが導入されて以来、V8エンジン時代に4年連続でレッドブルをチャンピオンシップに導いたルノーパワーは陰りを見せ、ライバルに対して大きく遅れを取っている。

直接のライバルであるホンダは、母国日本グランプリでスペック3と呼ばれる新たな仕様のパワーユニットを投入。HRD Sakuraで開発された最新型のICE=内燃エンジンは、燃焼系の改良等によって40馬力ものパワー向上を果たしたとみられている。

これによって両者の序列が逆転したと考える者は少なくなく、レッドブル・レーシングの首脳陣は事ある毎に、ルノーからホンダへのエンジン切り替えの決断の妥当性を強調している。では、当のルノーはこの状況をどのように捉えているのだろうか?

「レースでは20馬力から27馬力程度が不足していた」とアビテブール。独Auto Motor und Sportに見解を示した。「ただしレッドブルのシャシーであれば、幾らかの状況下においてはその分を補う事ができていた。とは言え、予選での不足分は54馬力に達していたと考えている。非常に大きな差がある状況だ」

ルノーは2021年までにチャンピオン争い復帰を目指す五カ年計画を遂行中であるものの、2018シーズンはレッドブルに297ポイントもの大差をつけられコンストラクター4位に留まり、背後からは29ポイント差でハースF1が迫っている。

21年の開幕までに残された時間は後2シーズンのみ。アビテブールは、2019年に向けては車体ではなくエンジンを再優先事項として開発を進めているという。

「最大の焦点はエンジン開発だ。来年は予選でのパワー不足を嘆きたくない。ウインターブレイクの間にメルセデスやフェラーリとのギャップを縮められない理由はないが、シャシー側はもう少し時間がかかるかもしれない」

なお、一年前の2017シーズン終了時点で独Auto Motor und Sportが試算した推定馬力では、メルセデスが949馬力、フェラーリが934馬力、ルノー907馬力、ホンダが881馬力と見積もられていた。