レッドブル・ホンダRB15、ノートラブルで38周を走破!「ポジティブ」を連呼するフェルスタッペン
過密な設計開発スケジュールに追われた慌ただしいウィンターブレイクを終えて、レッドブル・ホンダの期待の新車「RB15」が13日、英国ミルトン・キーンズのファクトリーからほど近いシルバーストン・サーキットに持ち込まれ、初めてトラック上を走行した。
レギュレーションで許されているフィルミングデーを利用した今回のシェイクダウンでは、マックス・フェルスタッペンがステアリングを握り6回のランを実施。バルセロナ合同テストに先立って、一連のシステムチェックを行い、ノートラブルで合計38周を走破した。
シルバーストン・サーキットを走行するRB15
レッドブル・レーシング伝統の「限定カラー」は今年も健在で、発表されたRB15には一回限りの見事なローンチスペシャルカラーが施された。彩度の低い濃紺をベースにビビッドな赤色がタイポグラフィック的に配置され、見る者にシックなスパイダーマンのような印象を与える仕上がりであった。
ホンダとピエール・ガスリーの加入を歓迎するという名目はあれど、激しい色の特別な配色が採用されたのは、ライバルチームにマシンを観察するスキを与えないため。高コントラストの配色故に、赤のグラフィックばかりが浮き上がって目に飛び込んできてしまい、マシンの細部を確認する事は困難だ。
クルマから降りたフェルスタッペンは19年仕様のヘルメットを脱ぎ、満面の笑みを浮かべて「Very Positive」を連呼。RB15の第一印象について次のように答えた。
「マシンに乗るのが楽しみでしょうがなかった。実際にステアリングを握って走ってみたら、凄く正常な感触を得ることができた。フィーリングは良かったしトラブルも出なかったから本当に嬉しいよ。それと、今日だけの限定ではあるけど、カラーリングも凄く美しかった」
「もちろん今日はフィルミングデーだったから、クルマから引き出せる量には限界があるけど、公式テスト前にこういった機会で走らせるのは本当に大事なことなんだ」
「実際に走ってみることでファースト・インプレッションが得られるし、些細なことであれ、車体やエンジンに問題がないかどうかを確認する事が出来る。幸いなことに全くトラブルはなかったし、こうやって走る事が出来たことは凄くポジティブだ」
「これで、ちゃんとテストに臨む事が出来る。今度はマシンの性能を引き出してみるよ。クルマとエンジンについて、もっと理解を深められるだろう。今のところはかなり良い感じだよ」
チームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーは「新車が初めてコースに出て走り出すのを見るのは何時だって嬉しいものだ」と切り出し、フェルスタッペン同様にシェイクダウンの意義を強調した。
「RB15はレッドブル・レーシングとしてホンダのF1パワーユニットを搭載した最初のマシンだ。今回のカラーリングはシルバーストンでの一度限りのものだが実に見事だった」
「もちろん今日は撮影のための走行だったわけだが、来週のバルセロナテスト前に、システムの機能状況や車の基本的な部分が問題なく可動する事を確認しておくのは本当に大切な事だ。計8日間のテストでは、メルボルンでの新シーズン開幕に向けて、トラック上で走れる時間を最大限に活用することが重要だ」
フェルスタッペンの走行をピットウォールで熱心に見守っていたピエール・ガスリーは、2月18日(月)にスペインのカタロニア・サーキットで始まる公式テストで初めてRB15の感触を確かめる事になる。
「クルマは本当に凄そうだよね」とガスリー。「レッドブルは毎年、新車発表で素晴らしいワンオフのデザインを披露してるけど、今回のRB15の装飾は間違いなくこれまでで最高のデザインの一つだよ」
「チームにとってホンダとの新たなストーリーが始まるわけだけど、これまでのところ開発は本当に順調だね。今回はマックスが走ったけど来週は僕の番だ。一刻も早くクルマに乗って感触を確かめたくてしょうがないよ」
「このチームと一緒に仕事をするのは僕の長年の夢だったから、冬休みが本当に長く感じられた。バルセロナで走れることを本当に楽しみにしてる」
シェイクダウンの模様は、以下の動画で確認されたい。ホンダの2019年型パワーユニット「RA619H」の快音も収められている。