英国ミルトンキーンズに建設中のレッドブル・パワートレインズの新ファクトリー
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル・パワートレインズ、”間もなく”稼働…2026年の次世代F1エンジン開発用施設の内部を公開

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本格始動を前にレッドブル・パワートレインズの施設の一部が公開された。レッドブルは2026年の次世代F1パワーユニット(PU)開発に向けて、英国ミルトンキーンズに新たなファクトリーの建設を進めている。

パワーユニットサプライヤーのホンダは昨年末でF1から撤退したものの、昨年までと同じ様に2025年まで栃木県のHRD-Sakuraで製造・組み立てを行い、アルファタウリを含む2チームにPU一式を供給するものとみられている。

英国ミルトンキーンズにあるレッドブル・レーシングのファクトリーCourtesy Of Red Bull Content Pool

英国ミルトンキーンズにあるレッドブル・レーシングのファクトリー

つまり、建設中のPUファクトリーはHGU-Hを廃した2026年導入予定の次世代PUの設計開発・製造・組み立てのみに使用される事になるが、タイムリミットまで既に4年を切っており、時間的猶予はあまりない。

クリスチャン・ホーナー代表によるとレッドブルは、3段階計画の第1段階を経て「今後8週間以内」にパワートレイン開発用の新たなファクトリーに人員を配し、これを稼働させる予定だという。

ホーナーは開幕バーレーンGPを週末に控えた3月14日(月)、「現時点でこのプロジェクトのために200人以上を雇用した。今は敷地内に散らばっているが、間もなく新しいファクトリーに移動する予定だ」と語った。

「これは3段階計画のフェーズ1に過ぎず、製造に際しては更なる施設が必要だが、それに関しても、ここミルトンキーンズに拠点が置かれる事になる」

「シャシーとエンジンを同じ屋根の下で作り上げていくという相乗効果が得られるわけだが、これを実現したF1チームはフェラーリを除けば我々しかいない」

「本当に優秀な技術チームと運営チームが集まっている。ホンダHRD UKのメンバーも迎え入れたし、本当にエキサイティングだよ」

英国ミルトンキーンズに建設中のレッドブル・パワートレインズの新ファクトリーの内部 (2)Courtesy Of Red Bull Content Pool

英国ミルトンキーンズに建設中のレッドブル・パワートレインズの新ファクトリーの内部 (2)

既にPUの設計作業は進められているようで、ホーナーはレッドブル・パワートレインズ初のPUがダイノで始動するのはそう先の事ではないと説明した。

「昨年11月に設置されたダイノはこれより試運転の段階に入る。最初のエンジンが始動する様を見るのが楽しみだ。レッドブルが設計した最初のパワーユニットが始動するのもそう遠くはないだろう」

英国ミルトンキーンズに建設中のレッドブル・パワートレインズの新ファクトリーの内部 (1)Courtesy Of Red Bull Content Pool

英国ミルトンキーンズに建設中のレッドブル・パワートレインズの新ファクトリーの内部 (1)

レッドブル・パワートレインズを率いるのはベン・ホジキンソンだ。ホジキンソンはV6ハイブリッド・ターボ時代のF1を席巻するメルセデスに20年以上在籍したエンジン開発のキーマンで、メカニカル・エンジニアリングの責任者としてコンストラクター8連覇に貢献した。

ホジキンソンは今年5月からレッドブル・パワートレインズの初代テクニカル・ディレクターとして開発の指揮を執る予定だ。

メルセデスのF1エンジン部門からレッドブル・パワートレインズに移籍するのはホジキンソンだけではない。

スティーブ・ブレウェットはプロダクション・ディレクターとして、オミド・モスタギミはパワートレイン・エレクトロニクス&ERS部門の責任者として、ピップ・クロードはメカニカル・デザインERS部門の責任者として、スティーブ・ブロディはICEオペレーションのグループ・リーダーとして、そしてアントン・メイヨはPUデザインICEの責任者としてかつてのライバルで手腕を振るう事になる。

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