英国ミルトンキーンズにあるレッドブル・レーシングのファクトリー外観、2021年1月22日
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルF1、ホンダ継承後のパワーユニット部門トップにメルセデスHPPのベン・ホジキンソンを起用…独自エンジン開発へ

  • Published: Updated:

レッドブル・パワートレインズは4月23日(土)、メルセデスのF1パワーユニット(PU)部門でエンジニアリング責任者を務めているベン・ホジキンソンをテクニカル・ディレクターに起用する事を発表した。

レッドブル・レーシングは2021年末を以てF1から撤退するホンダのPU資産を引き続ぎ、これを運用する新会社としてレッドブル・パワートレインズを設立。ミルトン・キーンズにあるレッドブル・テクノロジー・キャンパスの中心部に最先端の専用パワーユニット施設の建設を進めている。

ホンダF1パワーユニット改め”レッドブル・エンジン”の名が与えられる見通しのパワーユニットは、レッドブルのみならず姉妹チームのスクーデリア・アルファタウリにも供給される。

ベン・ホジキンソンはメルセデスとの現行契約が終了次第、レッドブルのPU部門のトップとしてあらゆる技術面を統括し、2025年の導入が予定されている新たなPUレギュレーションに準拠したレッドブル初となるパワーユニット開発に重点的に取り組む。

つまりレッドブルは、2022年から2024年までのエンジン開発凍結期間中に外部メーカーとの提携の可能性を探るのではなく、2025年の新規則に対応した独自エンジンの開発を前提に活動するという事だ。

フォルクスワーゲン傘下の高級自動車メーカー、ポルシェの上級幹部がF1への参戦を検討している事を認めたことから、レッドブルはマクラーレンやウィリアムズと並びパートナー候補としてその名が取り沙汰されていたが、”レッドブル・ポルシェ”あるいは”レッドブル・アウディ”がグリッドに付く可能性は低そうだ。

ベン・ホジキンソンは世界ラリー選手権(WRC)用のレースエンジンの開発や、ル・マン用エンジンの設計に数年間携わった後、イルモア・レーシング・エンジン(後のメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ)に移籍。過去7年間にわたってF1世界選手権の両タイトルを独占してきたメルセデスに20年以上在籍してきた。

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は「ベンをテクニカル・ディレクターとしてレッドブル・パワートレインに迎えることができ本当に嬉しく思う」と述べ、次のように続けた。

「レッドブル・パワートレインズの設立は同時に、F1におけるレッドブルの野心が新たなステージに達した事を示すものだった。その究極の形が次世代のF1エンジンレギュレーションに対応したレッドブル・パワーユニットの開発だ。ベンの就任は我々の長期的なコミットメントを示すものだ。我々は成功のために必要なあらゆるリソースを提供して、彼と彼のチームをサポートしていく」

ベン・ホジキンソンは「テクニカル・ディレクターとしてレッドブル・パワートレインズに加わることになり本当に胸が高まっている」との談話を発表した。

「約20年の歳月を経てHPPを去る決断をするのは容易ではなかったが、このように広範囲かつ重要なプロジェクトを担当する機会を得る事ができ大変光栄に思っている。レッドブルはF1における重要なプレーヤーであり、ハイブリッド時代の最大のライバルでもあったわけで、そんな彼らと共に仕事に取り組んでいくのを楽しみにしている」