過熱するレッドブルとフォードのF1提携報道、2023年ローンチイベントを前に相次ぐ
2月3日(金)に米国ニューヨークで行われる”シーズンローンチ”を前に、レッドブル・レーシングとフォードの提携に関する憶測が過熱。次世代パワーユニット(PU)が導入される2026年以降のコラボレーションに関して何らかの発表が行われるとの期待が高まっている。
ポルシェとの交渉決裂を経てレッドブルは、英国ミルトンキーンズでの独自PU開発を強調する一方、他社とのコラボレーションの可能性を除外しておらず、またフォード自身も、持続可能性の追求と米国におけるF1人気の高まりからF1復帰検討の必要性を認めている。
チームのエースドライバー、マックス・フェルスタッペンとレッドブルの内情に詳しいオランダ人ジャーナリストのエリック・ファン・ハーレンは、詳細はまだ不明であるとしながらも、3日(金)のイベントで提携が発表される可能性が高いと伝えた。
また、レッドブルのローンチイベントと同じ日にフォードがNYにインフルエンサーを派遣するとの情報もある中、英「ミラー」は関係者の話として、まだ契約書にサインこそされていないものの両者は話し合いを続けており、今週金曜に正式な提携発表が行われる可能性があると伝えた。
ただ興味深いことに、キックオフというシーズン最初の重要イベントの開催地がニューヨークに選ばれたのは、米国の巨大自動車メーカーとの話し合いが行われる前のことだったとも伝えている。
アメリカにおけるF1人気は近年、爆発的な高まりを見せており、米国の大手ソフトウェア会社「オラクル」をタイトルスポンサーとするレッドブルは昨年、ニューヨークの公道でセルジオ・ペレスにF1マシンのステアリングを握らせている。
憶測が現実になるとの前提に立つならば、それはどのような形でのコラボレーションになるのだろうか?バッジネーム契約なのか、単なるスポンサー契約なのか、それともPU開発における協業なのか。
それがフォードを指すのか、アンドレッティと提携して新規参戦を目指すGM傘下のキャデラックを指すのかは分からないが、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムはこのほど、早ければ今週にも「(アウディとは)別のメーカーが2026年のエンジン・レギュレーションにサインするかもしれない」と述べている。
とは言えレッドブルは「シャシーとエンジンをひとつ屋根の下で」をモットーに、膨大な資金を投じて施設を建設し、ライバルメーカーから人材をかき集め、既に次世代PUの研究開発を進めている。
少なくとも開発が順調なICE(内燃エンジン)を放棄する可能性はゼロに等しく、技術的な提携であるならばホンダとの再提携が囁かれた際に指摘されていたように、ハイブリッド領域のみをフォードが担当する形だろう。
仮にキャデラックとフォードの双方がF1に加わった場合、米国のF1市場はどこまで拡大するのだろうか? 2023年のF1カレンダーにはオースティン、マイアミ、ラスベガスというアメリカ国内の3つの都市が並んでいるが、これにNYが加わる日も遠くないのかもしれない。