晴天に見舞われた山岳部に位置するレッドブル・リンクを走行するレッドブル・ホンダRB16のマックス・フェルスタッペン、2020年F1オーストリアGPcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

レッドブル・ホンダ、RB16へのメルセデス「DAS」搭載の可能性を除外

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レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、メルセデスの革新的な2軸ステアリング、通称DASに類似したシステムのRB16への搭載について「非常に難しい」と述べ、含みを持たせつつも実現の可能性を除外した。

オーストリアGP初日セッション終了後、ミルトン・キーンズのチームは予定通り、違法性が疑われるライバルチームの秘密のデバイスに関して、統治機関である国際自動車連盟(FIA)に正式抗議を申し立てたが、6時間半の審議を経てスチュワードはこれを棄却した。

レッドブル・ホンダがDAS違法の根拠としたのは、ステアリングの役割・存在意義だ。DASを搭載したメルセデスのステアリングはステアリングではなくサスペンションの一部だ、との主張をぶつけたレッドブルであったが、FIAは「従来型のものではない」と認めつつも、単独のステアリングデバイスであると断じ、抗議を退けた。

一夜明け、スカイスポーツのインタビューに応じたホーナー代表は抗議の理由について「明確にしたかった。週末の早い時点で抗議を行ったのはリザルトに影響が出ないようにとの配慮からだ。金曜の時点で合法か違法かがクリアになれば、メルセデスに対して土曜と日曜に対処のための時間を与える事ができる」と説明した。

「実際にそれが使われる様子を確認した我々は、状況を明確にするための手段を講じることを決断し、その胸をメルセデスに伝えた。このシステムは非常に複雑であり、ステアリングホイールとは一体何なのか?という疑問を生じさせた」

ホーナー代表は公聴会の中で、スチュワードがFIAテクニカル・ディレクターのニコラス・トンバジスの判断を支持した事を明かし、DASが合法とのお墨付きを得るまでの一端を明かした。ホーナーは説明の全てに納得はしていない様子だが「全ては今終わった」と述べ、上訴する意志はないことを明らかにした。

ただし牽制は忘れなかった。ホーナー代表はもしも仮に予選でDASを使うのであれば、パルクフェルメ規定を変更する必要があるとの考えを示した。規約では予選で一旦コースへと出た後は、マシンのセットアップを調整する事は許されていない。

DASはステアリングを前後に動かすことで、走行中にマシン前輪のトー角を変更する。パルクフェルメ規定への抵触の可能性については予てより各方面から指摘されていた。

今週末の予選でメルセデスがDASを使うのかどうか興味深いところだが、もとよりDASはアタックラップの際のタイヤのウォームアップのためのシステムとも見られているだけに、予選で使えなければあまり大きな意味を持たないデバイスである可能性もある。

最後にホーナー代表は「メルセデスには脱帽だ。これは巧妙なシステムだが、来年は非合法となる事が決定しているだけに、今年のためだけにこれ組み込むのは非常に難しいだろう」と述べ、RB16への類似のシステムの搭載の可能性を否定した。

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