ホンダF1の長谷川祐介と倉石誠司副社長、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とヘルムート・マルコ2019年F1中国GPにてcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

レッドブル・ホンダ、RB15が抱える空力問題は「非力なルノーエンジンが原因」

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やはり、レッドブル・レーシングの今季マシン「RB15」は、ホンダ製F1パワーユニットの搭載を前提として開発されたマシンではなかったようだ。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを努めるヘルムート・マルコは、プレシーズンテストの段階からRB15が抱えていた空力に関する問題は、昨年までエンジンサプライヤーを務めていたルノーが元凶だと主張している。

レッドブル・ホンダの2019年型F1マシン「RB15」は、F1界を代表する著名デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイが全面監修しているものの、コンディションやセットアップの僅かな違いによってマシンが過剰に反応するピーキーなクルマに仕上がっており、リアのトラクションが不足傾向にある。

レッドブル・ルノーは、V8エンジン時代にセバスチャン・ベッテルと共にチャンピオンシップ4連覇の偉業を達成するも、複雑奇怪なV6ハイブリッドターボがF1に導入されると大きく失速。長年に渡って虎視眈々と研究開発を続けてきたメルセデスに大きく引き離される事となった。

ルノーのエンジンパフォーマンスに苛立ちを重ねたレッドブルは昨年、同系列のスクーデリア・トロロッソを”モルモット”にしてホンダを観測。ポテンシャルの高さを確認した後、ルノーとの関係を精算して今シーズンよりホンダ製F1パワーユニットを搭載している。

両者が合意を発表したのは2018年の6月19日。F1マシンの開発には最低でも概ね13ヶ月程度を要するため、レッドブルの2019年型F1マシン「RB15」はホンダ製PUを念頭に置いて設計されたものではない可能性が高かったわけだが、実際のところ、その予測は正しかったようだ。

ヘルムート・マルコはスペインGPを前に、独Auto Bildとのインタビューの中で、頭痛の種となっているRB15のエアロダイナミクスの弱点は「非力なルノーエンジンの搭載を念頭に設計された」事が理由だと語り、パワー不足のためにダウンフォース面で妥協を強いられたと主張した。

「今まで問題となっていたのはダウンフォース不足だ」とヘルムート・マルコ。「以前のパートナーのエンジン性能が不足していたため、空気抵抗による損失を最小限に抑えるデザインが必要だった」

「そのため我々のクルマはコーナーでタイムをロスしてきたが、ホンダがエンジン性能を大幅に向上してくれたため、現在では対処出来るようになった」

ホンダは前戦アゼルバイジャンGPで”スペック2″と呼ばれる今季第2世代の内燃エンジンを、レッドブルとトロロッソの計4台に投入。性能よりは信頼性の向上に重点を置いたアップグレードであるものの、高出力モードの持続時間が向上しているとされ、決勝レースでの競争力強化が期待されている。

RB15がホンダエンジンの搭載に最適化されたマシンでないとするならば、我々が真の「レッドブル・ホンダ」のパフォーマンスを目のあたりにするのは来シーズン2020年の「RB16」を待つ他にないという事だが、裏を返せばRB16にはそれだけ期待できるということでもある。