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ザウバーのチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、ホンダとの提携話が破談となったのは、ホンダエンジンの信頼性や性能不足が原因ではないと明らかにした。ベルギーGPを終えたバスールは、ホンダが競争力を取り戻すのは時間の問題であったとし、真の原因は別にあると語る。
「彼らが挽回するのは時間の問題だと分かっていました」とバスール。ホンダF1エンジンはメルセデスやフェラーリ等のライバルよりも劣っているとされ、一度決定した契約が流れたのはホンダのパフォーマンス不足が原因ではないかとの憶測が流れていた。だが決断した当のバスールは、その最大の理由はギアボックスにあったと説明する。
「最大の懸念事項は、ギアボックスの確保を確実なものにすることが出来ない点にありました。我々ザウバーは自前でギアボックスを製造するリソースを持ち合わせていませんでしたので、何処からか調達する必要があります。我々はホンダとともに、マクラーレンと交渉していましたが、私はマクラーレンがホンダとの関係を続けていくことを確信できなかったのです」
マクラーレンが製造しているのはホンダ製パワーユニットに合わせたギアボックスであり、仮にこの両者が決別した場合、ザウバーはギアボックスを失うことになる。ギアボックスがなければ、当然マシンを走らせる事はできない。バスールは、それだけのリスクを許容することはできなかったため、ホンダとの取引を見直す事にしたのだという。
契約の破談が公表された7月27日の時点で、ザウバーは既にホンダエンジンを前提として18年マシンのデザインに取り掛かっていた。発表の週末に行われるハンガリーGPを終えると、レギュレーションで定められたサマーブレイク期間に突入してしまい、ファクトリーは完全に閉鎖される。そのため、計画の見直しと決定は迅速に行われる必要があった。