
レーシング・ブルズが明かすローソン残留に込めた狙いと、リンブラッド昇格の”決定打”
レーシング・ブルズはなぜ2026年シーズンに向け、アーヴィッド・リンブラッドを昇格させ、リアム・ローソンを残留させたのか。チーム代表を務めるアラン・パーメインが、F1公式サイトに対してその理由の一端を語った。
レッドブルは技術規則が刷新される変革期を前に、育成プログラムの中で最も将来性があるとされる18歳の新星リンブラッドにチャンスを与える決断を下した。デビューイヤーとなる来季、彼は、角田裕毅との厳しいシート争いを制したローソンとコンビを組むことになる。
「マルコの秘蔵っ子」リンブラッド、決定打はメキシコの走り
Courtesy Of Red Bull Content Pool
フリー走行1でレッドブルRB21をドライブするアーヴィッド・リンブラッド、2025年10月24日(金) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
レーシング・ブルズは長らく、シニアチームであるレッドブルに昇格させるための才能を育て、その器かどうかを見極める場として機能してきた。
わずか一年のFIA-F2選手権シーズンを経て昇格するリンブラッドは、18歳の誕生日を前にスーパーライセンスの特例発給を受けるほど、レッドブルが期待を寄せる存在だ。今季は2年前の旧車を使った3度のテストに加え、イギリスGPとメキシコGPではレッドブルからFP1に出走している。
パーメインによれば、レッドブルがリンブラッドに賭ける決め手となったのは、メキシコGPでのパフォーマンスだったという。
「彼はメキシコのFP1でレッドブルのマシンを駆り、ずば抜けた走りを見せた。あれは本当に、本当に速かった。昇格に至った背景には様々な要素があるが、レッドブルもレーシング・ブルズも、あの走りには大いに感銘を受けた」
「(レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーである)ヘルムート(マルコ)が彼を信じていることも大きい。Dr.マルコは彼のキャリアを熱心に追ってきたからね」
リンブラッドはレギュラー勢以外で最速となる6番手タイムを記録した。マシンスペックの差や走行プログラムの違いはあれど、角田を0.093秒上回るパフォーマンスだった。
さらにパーメインは、リンブラッドの資質についてこう付け加えた。
「彼のフィードバックは本当に優れている。話せばすぐに分かるが、頭の回転が速いんだ。すぐに成長するだろう。ドライバーに余力があるのは良いことだ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パドックへ到着するアラン・パーメイン(レーシング・ブルズ代表)、2025年12月4日(木) F1アブダビGPメディアデー(ヤス・マリーナ・サーキット)
角田との争いを制したローソン、求められるのは「一貫性」
リンブラッドの起用が決まったことで、残るシートは一つとなった。現職のローソンと、レッドブルのシートをアイザック・ハジャーに奪われた角田の一騎打ちだ。
当初は角田が優勢と見られていた。だが、最終的に選ばれたのは、今季わずか2戦でレッドブルから降格し、レーシング・ブルズに戻ったローソンだった。
ローソンは復帰当初こそ苦戦したものの、アゼルバイジャンGPで5位、オーストリアGPで6位、そしてアメリカGPのスプリント&決勝で7位フィニッシュを果たすなど、時折優れたピークパフォーマンスを披露した。
「リアムには才能がある。素晴らしい才能がね」とパーメインは語る。「私の使命は、すべてが噛み合った時に彼が発揮するあの高いレベルを、常に維持させることだ」
「ラスベガスやバクーの予選のような最も難しい場面で、彼は卓越した走りを見せた。素晴らしいレースも何度かあった。だからこそ、どの週末でもそのレベルに到達できるよう一緒に取り組んでいきたい」
パーメインは、ローソンが好不調の波を抑え「常に高水準で走れれば、非常に優れたF1ドライバーになる」と確信する。先週末のカタールGP決勝での巻き返しも、その好例だという。
「終盤のクリーンエアでのラップを見れば明らかだが、彼のレースペースは本当に印象的だった。前を走る3〜4台より速かった。速さは間違いなくある。あとはそれを毎回出すだけだ」
シャシーとパワーユニットの双方が刷新される2026年の変革期において、ローソンの残留はチームに安定感をもたらす。パーメインは「継続性は本当に助けになる」と語り、ローソンがリンブラッドを支える存在へと成長することに期待を寄せた。
「アーヴィッドを助けられるドライバーがいるのは良いことだ。リアムにもそう伝えた。メンターになれと言うわけじゃない。そこまでは求めていないが、そばにいてほしい。特にテストや序盤戦でアーヴィッドが苦戦する場面があれば、リアムなら支えになれる。そうしてくれると期待している」