ホンダF1田辺TD、アルボンの活躍に期待「エンジン開発に大きく貢献」F1テスト7日目
ホンダエンジン勢にとってのバルセロナテスト7日目は、チーム毎に明暗がクッキリと分かれた一日となった。レッドブル・レーシングはピエール・ガスリーが走行を担当。午前中にパフォーマンスランを行い、最も柔らかいC5コンパウンドで1分17秒091をマーク。この日の4番手タイムを刻んだ。
昼休みを経て、午後はレースシミュレーションを実施。第一スティントを終えてピットアウトした直後に悲劇が襲いかかった。C2タイヤでの3周目を走行中に、高速の左コーナー、ターン9でクラッシュ。リアを中心にRB15は大破し、セッションは赤旗中断となった。その後マシンが再びコースを周回する事はなく、ガスリーは65周を走ったのみでセッションを終えた。
走行時間の損失は、マシンだけでなくエンジン開発を進める上でも極めて重要だ。昨シーズンまでであれば、一台失えばそれで即終了であったが、今年は違う。
ホンダRA619Hを積むもう一台のマシン、スクーデリア・トロロッソSTR14は、新人アレックス・アルボンのドライブのもと、トータル118周を走り込んだだけでなく、C5コンパウンドを使って今季テストで16秒台一番乗りを達成。タイムシートの上から2つ目に名を刻んだ。
ホンダにとっては、2チーム体制の恩恵を初めてトラック上で痛感する一日となった事だろう。28日(木)に行われたF1バルセロナ合同テスト7日目を振り返った田辺豊治テクニカル・ディレクターは、アルボンの活躍に強い期待感を示した。
アルボンの活躍に期待「エンジン開発にも大きく貢献」
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
アストンマーチン・レッドブル・レーシングは、走行を担当したピエールがクラッシュに見舞われてしまいました。昨日に続いて走行時間を失ったことは残念ですが、大きなアクシデントであったにも関わらず、本人の身体に問題がなかったことは幸いでした。
今回のテストがF1マシンでの初走行となったスクーデリア・トロロッソのアレックスは、テスト通算で500周弱を走り込んでくれました。彼の走り込みによって、パワーユニット開発が大きく前進しています。彼のデビュー戦が楽しみです。
明日はいよいよシーズン開幕戦前の最後の走行機会となります。両チームと共に、良い形でテストを締め括りたいと思っています。
この日最速を刻んだのは、連日マシントラブルに苦しんでいたフェラーリのシャルル・ルクレール。トロロッソ・ホンダの新人アレックス・アルボンを抑えて1分16秒231を記録した。
シーズン前F1バルセロナ合同テスト最終8日目のセッションは、3月1日金曜現地9時、日本時間17時からスペインのカタロニア・サーキットでスタートする。