カタロニア・サーキットでシェイクダウンを行うウィリアムズFW42
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ウィリアムズ、遂にテストに合流も前途多難…タイム差110%、遅延の理由は「公表せず」

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初日・2日目とバルセロナテストへの参加を見送ってきたウィリアムズの今季マシン「FW42」が3日目の午後14時30分、ようやくトラックに姿を見せシェイクダウンを完了した。喜ばしいニュースではあるものの、F1史に残る輝かしい成功を収めてきたグローブのチームは、前途多難の様相を呈している。

前向きな姿勢を強調するパディー・ロウ

3時間半という限られた時間であった事もあり、システムチェックのために23周を走行したのみでセッションを終える事となったが、技術責任者を務めるパディー・ロウは、クルマには信頼性に関する深刻なトラブルは発生していないと述べ、4日目からの本格的な走行に向けて期待感を示した。

「バルセロナでのテストの最初の二日間を欠場することになってしまったことは非常に残念だが、今日こうして午後のセッションで車を走らせることができて本当に嬉しく思っている。遅れはしたものの、ガレージとファクトリーの両方のチームが信じられないほどの努力を重ねてくれた」

「午後の走行では幾つものシステムチェックを行い、信頼性上の重大なトラブルなしに様々なデータを集めることができた。FW42の最初の走行には満足だ。今日の走行がうまくいったことで、明日の朝から予定している更に重要なプログラムに取り掛かるための準備を整える事ができた」

「大量の時間を失ったけれども、冬季テストの残りの5日間を最大限に使うつもりだ。楽しみにしている。今日車をコース上に送り出すために、素晴らしいチームワークで献身的な仕事ぶりを示してくれた全てのスタッフにお礼を言いたい」

トップとのギャップは110%

ステアリングを握ったジョージ・ラッセルは、中間コンパウンドで1分25秒625を記録。この日ファステストを刻んだトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトよりも7.921秒も遅いタイムであった。これはパーセンテージ換算で110%というギャップであり、グランプリであれば107%ルールに抵触する。つまりは決勝レースへのエントリーが許可されないタイム差だ。

無論今日はシステムチェックのための走行であったため、これを比較する事に大きな意味はない。だが、FW42はライバルと比べて1周あたり2秒近く遅いとの予測もあるだけに、ファンとしてはクルマが走ったことに対する安堵感はあれど、胸の内の不安を拭い去るには明日以降を待たねばならない、といった状況だろう。

「ようやくFW42を運転できて本当に最高だ」先の見通しはバラ色ではないものの、ラッセルは待ち望んでいたドライブを素直に喜んだ。

「今日はインストール・ラップに集中して取り組み、車をシェイクダウンしてデータを収集した。今日はパフォーマンスに焦点を当てた走行じゃないから、マシンの全体的なポテンシャルについては判断のしようがないけど、明日は1日をフルに走れるから凄く楽しみだ」

遅延理由の公表を拒否するクレア・ウィリアムズ

遅れの理由については明確されていないものの、マシン開発に遅れが生じた事が原因だとされている。コースインと同時に行われたメディアセッションの中でクレア・ウィリアムズ副代表は「内輪の事情をさらけ出すつもりはない」とコメント。遅れた理由を明らかにする意思はないと強調した。

パディー・ロウの責任問題が囁やかれていることについては「今はクルマの構築に集中すべき」として、こちらもはぐらかした。英国の名門は今季も選手権最下位から脱出できないのだろうか? 21日(木)4日目のテストでは午前をロバート・クビサ、午後をジョージ・ラッセルが担当する。